「こう考えれば、うまくいく。」（文芸春秋）
最近の企業や学校には、個性尊重という向きがあります。
船井総研創業者の船井幸雄が説く、最も効果的な成功のコツである
長所伸展法も、よい個性を伸ばすという原則です。
しかし、一方で、船井幸雄は、「目の前に来た仕事に、一生懸命取り
組むことが、成功のコツだ」とも述べています。
自身の得意なことに絞り込んで伸ばすのか、それとも好き嫌いせずに
何でもこなして力をつけるのか、これらの教えは、相反するようにも
聞こえます。
どのようにとらえれば、よいのでしょうか？
そのヒントが、日垣隆著「こう考えれば、うまくいく。」の中の
記述にありました。
> 本当は個性とは、20年間やり続けてこれ以上は変えられない、
> というような形式を言うのである。
> 小学生レベルのわがままなど、個性のうちには入らない。
このコメントは、近頃の小学校教育が、ちょっとやらせてみただけの
できる・できないによって、個性を決めつけてしまうことを批判した
ものです。
日垣隆氏は、やり方をちゃんと教えることによって伸ばせる能力を、
眠らせているのではないかと、警鐘を鳴らしています。
あるいは、飲み込みが遅い人が、そのことに向いていないとは
言えないのも、真実だと思います。
つまりは、目の前に来た仕事に、一生懸命取り組み、結果的に、
縁のあった仕事に使う様々な能力が伸びれば、その中に、特に伸びる
ものが出てきて、それが長所である個性なのでしょう。
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