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  • ブログ・高橋 久美子

    第391回:アドラーが日本で流行しなかった理由

    2019年3月4日

     
     
     

     さて、このコーナーでは、トラック20台以下の運送会社のためのアドラー心理学というテーマでお伝えしています。

     

     アドラーは、今からおよそ100年ほど前に活躍した、オーストラリア生まれの心理学者であり精神科医です。日本では5年前に出版された、「嫌われる勇気」という本が、大ベストセラーになったことで、多くの人に、その名を知られるようになりました。あなたも、この本でアドラーを知った一人かもしれませんね。しかし、欧米では、アドラーは、フロイト、ユングと並ぶ、「心理学の三大巨頭」と呼ばれているほどに有名です。

     それなのに、なぜ日本では、今まで、アドラーだけが、評価されてこなかったのでしょうか。それは、アドラー心理学が、日本の古い風習とは、「真逆」の考え方だったからだと思われます。

     例えばアドラーは、「全ての人は対等な関係にある」というスタンスをとっています。

     上司と部下、教師と生徒、親と子、男性と女性、どんな関係でも、対等と考えるところからスタートしています。(100年前からこう唱えているところがすごいわけですが、だからこそ反発もあったというわけです)

     ひと昔前のカリスマ社長タイプのリーダーは「だまって俺について来い!」というスタイルでした。多少強引でも、力強く、頼もしく、皆をけん引していくのが、リーダーの役割でした。

     ところが、今の若い人たちは、昔の強引タイプのリーダーには、ついて行けなくなってきました。今の時代は、自分が前に出て、みんなを引っ張るタイプよりも、「みんなを活躍させる人」が、求められるようになってきました。

     また、このスタイルのほうが、個人のパフォーマンスを引き出せて、結果的に、チームで大きな成果を出すことができます。

     「先代のようなカリスマ性はないけど、協調性がある」「みんなの意見をよく聞いて、特性を生かしてくれる」「何より、職場の空気感がいい!」

     そんな、新しいリーダーの在り方を提唱しているのが、アドラー心理学なのです。時代が変われば、求められるリーダー像も変わります。

     先代のようなカリスマ性や、強いリーダーシップがない、と悩んでいた二代目社長は、むしろ新しい時代にふさわしいリーダーと言えるかもしれませんね。

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    高橋 久美子

    あなたの会社が儲かっていない本当の理由
    規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

    全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会

     
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