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  • ブログ・高橋 久美子

    第392回:アドラー心理学では「ほめない」

    2019年3月11日

     
     
     

     さて、このコーナーでは、トラック20台以下の運送会社のためのアドラー心理学というテーマでお伝えしています。

     

     突然ですが、あなたはスタッフをほめていますか?

     少し前に「ほめて伸ばす」というスタッフ教育理論が人気になりました。ひょっとしたら、社員教育について学んできた人の中には、「ほめる」という方法を採り入れてきた人もいるかもしれません。ほめられるとスタッフは笑顔で喜んでくれるし、ほめる方も悪い気がしないので、「ほめて伸ばす」を多用してきたという人も多いかもしれません。

     しかし、アドラー心理学では、ほめません。前回、アドラー心理学の原点は、「全ての人間関係は対等である」と考えることをお伝えしました。実は、「ほめる」という行為そのものが対等ではないのです。

     「ほめる」を辞書で調べると、『人のしたこと・行いをすぐれていると評価して、そのことを言う』と出てきます。つまり、ほめるとは、相手の行為を主観でジャッジして、「よし」と高い評価を与える行為なのです。

     例えば、部下が社長に対して、「よくできて、えらいですね」とか、「がんばりましたね」というように、ほめることはありません。「ほめる」という行為自体がすでに、上下関係を作ってしまうというのが、アドラーの考え方なのです。

     さらには、「ほめられたい」という目的を持つようになると、承認欲求を増長してしまいます。「ほめられたいからがんばる」と、他人の評価を求めて行動する人を作ってしまう危険があるわけです。

     では、ほめずに、どういう反応をするのか?

     「〇〇をしてもらって、助かりました」「〇〇してくれて、ありがとう」

     これが、対等な関係性としての関わり方です。

     これによって、満たされるのは、「承認欲求」ではなく「貢献感」です。

     ほめられたいとか認められたいという承認欲求ではなく、「人の役に立ててよかった。人の役に立ちたい」という「貢献感」を満たすことで、人に役に立つことがしたい、という「自主性」を伸ばしていくことができるというわけです。

     「ほめられたい」と「人の役に立ちたい」の違い、「承認欲求」と「貢献感」の違いは、とても重要です。自分は相手に対して、どんな言葉がけをしているか? ちょっと振り返って、ぜひ、考えてみてくださいね。

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    高橋 久美子

    あなたの会社が儲かっていない本当の理由
    規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

    全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会

     
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