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ブログ・高橋 久美子
第143回:借金で「機動力」失う
2012年11月27日
全てのライフサイクルが短くなった現代に、我々中小の運送会社が決してしてはいけないことは「借金」です。特に長期の返済計画の大きな借金は、最もしてはいけません。しかし、「いや、高橋さん、そうは言っても借金しなかったらビジネスチャンスを逃すし、事業を拡大することはできないんじゃないの?」という疑問が浮かぶ人もいるかもしれません。
確かに、そう思うのも無理はありません。昔はここぞというときに借金をしてでもビジネスを拡大することで、好機をつかんで成長していくという成功モデルが多くありました。
しかし、それは日本経済が成長していた時代のことです。一生懸命まじめにがんばっていれば、ちゃんと利益が出た時代です。残念ながら現代は違います。日本経済はゼロ成長です。中小運送会社の8割以上が赤字決算です。つまり、怠けている会社だけではなく、まじめにがんばっている会社さえも倒産しているという現実は、あなたも目の当たりにしている通りです。
現代は、先の予測が立てにくいというだけでなく、市場の急激な変化にともない短期間で、180度ビジネスの方向転換が必要になることもあります。大手企業と違って時代の変化にすぐに適応できるのが、本来、我々中小の強みです。規模が小さい会社であればあるほど、「今日から、こうします」と社長が宣言するだけで、昨日と全く違う方向に舵をとることができます。
ところが、長期の返済計画を組んで大きな借金をしていると、自由度が失われ方向転換がしにくくなってしまうのです。市場の変化が激しい現代では、方向転換が1日遅れれば、それだけ機会を損失することになります。
我々中小の強みである、「機動力」や、「時代の変化にすぐに適応する力」を最大限に発揮するためには、できるだけ所帯を小さくして、「固定費」を低くしておくことが重要になります。ですから、「長期借入」は、最もしてはいけないことなのです。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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