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ブログ・高橋 久美子
第148回:カッコつけ費・その3
2013年1月8日
トラック20台以下の運送会社の中で、売り上げに困っているほとんどの会社が、掛け過ぎてしまっている「三つの経費」について、話を続けます。「三つの経費」の一つ目は「地代家賃」で、二つ目は、「トラック」でした。
三つ目は…勘のいいあなたは、もう気づいたかもしれません。そう、「人件費」です。売り上げが下がり燃料費が上がれば、当然、利益が圧迫されます。
それでも、人件費は下げないという人がいます。確かに、「がんばってくれているドライバーのために、給料は下げたくない」という社長は、かっこいいと思います。
しかし、そのかっこいい姿勢を貫きたいのなら、売り上げを上げなければなりません。そうでなければ、どこかにしわ寄せがいきます。取引先への支払い期限を守らず、借金を増やし、それでも従業員の給料を下げません。それだけではありません。なぜか、奥さんと自分の役員報酬も下げていません。売り上げが下がっても自分の生活レベルは落としません。今まで通りに大きな自家用車に乗って、週末にはゴルフに行きます。キャバクラにだって行きます。
この理由も、やっぱり「カッコつけ費その3」ということになるわけです。実際に倒産した会社の経理を見てみると、ドライバーの給料も社長の役員報酬も、さらには、ほとんど会社に出ていない奥さんの役員報酬も、倒産する直前まで、けっこういい金額であることが多いのです。
一方、厳しい時代に存続していく会社は、売り上げが下がったときに真っ先にこの「3大カッコつけ費」の見直しをしています。いつも月末が近づくたびに資金繰りに苦労しているという人は、この三つの「カッコつけ費」を、見直して下さい。感情を排除して、「経済的合理性」で考えるのがカギです。
「カッコつけ費」を見直すことで、月々の経費が大きく削減されるはずです。すると気持ちに余裕ができ、新規荷主の開拓など攻めの経営に目を向けることができるようになります。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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