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ブログ・高橋 久美子
第197回:引越業と他の運送業との決定的な違い
2013年12月15日
引っ越し業について話を続けます。実は、このコーナーで「引っ越し業」をテーマに話をするのは今回が初めてです。なぜ、今まで引っ越し業について話をしてこなかったのかというと、もちろん理由があります。
私がお伝えしている「荷主獲得のノウハウ」において、「運送業」の中でも「引っ越し業」だけは、ほかの配送と圧倒的に違う部分があるからです。何が違うのか? というと、「BtoC」ということです。
通常、運送業はBtoB(Business to Business)の法人相手のビジネスです。しかし、引っ越しに限ってはBtoC(Business to Customer)、つまり、個人客を相手にしたビジネスなのです。しかも、通常、引っ越しはリピート商品ではありませんから、新規獲得がメーンになるわけです。新規獲得は、はっきり言って「広告勝負」です。
一昔前は、いかに電話帳で目立つか、これが引っ越し広告の最重要課題でした。電話帳で地域の一番上に掲載されたいがために、「ア○○引越センター」とか「ア○引越社」というように、引越会社は社名の頭に「ア」がつく会社だらけという、おかしな現象が起こったほどです。
このような「新規獲得のための広告戦争」は、どれだけ広告費をかけられるかで勝負が決まります。つまりは経営資源量が多い大手に勝算があるわけです。もちろん、「広告が上手であること」も重要ですが、引っ越し業は広告で集客をしてきた歴史が長い分、どこの会社も本当に広告が上手です。このような理由から、今まで中小の引っ越し業の場合は、ほかの運送業と同じセールスレターで顧客を獲得するのは難しいと考えていたわけです。
しかし、今回、Aさんの事例がヒントになり、「小さな引っ越し業」に新たな戦略を見いだすことができました。この戦略は時代に合致していて、なおかつ、将来的に発展性のあるビジネス戦略です。名付けて、「ゴッドファーザー型戦略」といいます。
来週は、経営資源量が小さい中小企業が、資金や時間を使わずに確実に利益を増やしていける「ゴッドファーザー型戦略」について話をしていきます。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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