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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(326)人材育成について(21)

    2021年3月15日

     
     
     

     困難があっても投げ出さず諦めず、目標に向かってやり通す精神力、自ら進んで行い、他から教示されまたは影響されるのではなく、内部の原因、力によって思考、行為がなされること、こうした力はどこから獲得されるのか。

     それは創造、愛、自己統合である。

     創造とは自分なりのものを作り上げようとすることである。人をやる気にさせる根本的な力の1つが創造である。愛とは他者との暖かい交流を通して、人の役に立ちうることである。愛なくして何の人生かということで、生きる上での源泉である。自己統合とは自分が自分らしくあることで、個性の発揮である。創造愛、自己統合が人材育成の理念とも言いうる。自己向上にともなう内的な充実感を覚え、この実感が自己の価値ある成長、熟達に結びついている。その為に人材育成にとっては創造、愛、自己統合を具体的に展開していくことだ。

     愛知県に工作機械を開発する会社(A社)がある。そこでは全社員が勤務中に毎週、物理学の学習会をしている。社員の誰もが創造的に仕事をする喜びを味わえるようにしたい。一部の者だけでなく、全員が新しい機械を開発でき、その楽しさを体験できるようにしたい、それには物理学の法則を使って考えるようにする必要がある。社外からは講師は呼ばず、会社員が数グループの学習班に分かれ、順番制でお互いが講師になりながら続けている。社員は100人に満たないが500件以上の特許をとっており、経営は順調で、社員は仕事に生きがいをもっている者が多い。

     A社は粘り強さと自発性を発揮している1つのケースである。創造…新しい機械を開発できるようになる。その為に物理学を学ぶ。500件もの特許。愛…数グループに分かれて学習班を編成しリーダーは自分達で選んでいく。他者との暖かい交流、人の役に立ちたいとする実践として学習会がある。自己統合…自分らしくある。個性を発揮する。新しい機械を自分で創造していく過程は、それが形となってきたとき、自分なりに評価し内なる満足がある。

     人材育成は奥の深いテーマである。経営コンサルタントとして様々な企業の経営成長を目的として活動しているが、常に自問している。「如何にして人材は育成するのか。その根本はどこにあるか。人のやる気はどうして高めていくのか」。自答して「粘り強さと自発性の獲得、その為には企業風土に創造、愛、自己統合を根づかせること」。

               (つづく)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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