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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(352)小集団活動のすすめ方(8)―2

    2021年10月11日

     
     
     

    小集団活動は、働いている一人ひとりの人間への関心を深めていく。心からのコミュニケーションを活発化していくのだ。B運送会社では、一人ひとりと社長が個人面談を実施した。1週間かかった。働いている一人ひとりの気持ちをつかまんとした。話をすると、本当に会社のことを考えて、やる気でいてくれるドライバーが何人かいた。社長と一緒に会社の夢を共有できる人間が何人かいた。

     

    このメンバーをしっかりと把握して組織風土の改善をスタートさせている。①あいさつの徹底②車と事務所の整理整頓③3つの事故ー交通、物損、得意先のクレームの絶滅である。

    A家具小売店の社長にベテラン販売員の退職理由を聞いてみた。直接のきっかけは社長の言葉であった。売れずにイライラしていた社長は販売員に当たり散らした。「女も40すぎると迫力がなくなるわい」と毒づいたのがきっかけであった。

    私は社長にアドバイスした。「やめた販売員に手をついて謝り、カムバックしてもらうことです。メンツはこの際必要はないのです。この労働条件で働いてくれる人を探すのは、はっきりいって難しいですよ。そして、社長自身の考え方の改善に取り組んでください。まず、心を開いてあいさつからきっちりとし、職場を明るくするのです」

    人間への関心を深める為には、一人ひとりの育成プランをもたねばならない。「この人を、成長させていくんだ」との具体的段取りがなくてはならない。

    それには、組織全体が向上心、言い換えれば、成長への欲を持続することだ。大企業はいたれりつくせりの従業員福祉をもっている。長期間の連続休暇、ハワイの別荘、4LDKの社宅などなどである。

    これに対抗するには何があるか。それは組織全体の成長への強い意志、具体的計画=中期経営計画であり、その中心内容は一人ひとりの育成プランである。なぜ育成プランが必要かといえば、一人ひとりが組織にとってなくてはならないという重要感とプライドを植え付けるうえで有効だからである。

    B運送会社のドライバーはしみじみといった。「ドライバーになる人間は、大志を抱いていません。食えればいいんです。私らは走ってなんぼの人間です。まあ雲助と世間でいわれているぐらいですからね。それがうちの社長とじっくり話をしてみると、ほかの会社と比べて特徴のある、働きやすい会社にしたいという願いがよくわかりました。それにほかの会社のドライバーと比較して、さすが運転マナーも良いし、良いドライバーやと言われるようになろうと言われました。よしやったるでと思いましたよ」

     (つづく)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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