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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(374)リーダーシップについて(7)―3
2022年4月18日
大塚正士氏は「わが実証人生」と題する本を出版している。重さ6㌔㌘、上下二巻2065ページにおよぶ大作である。朝4時に起きて6時まで、2年間書き綴られたとのこと。私は、大塚正士氏のセルフコントロールの偉大さからして真実がつまっていると確信したので購入した(有光出版株式会社刊)。
この本を読むと、リーダーの条件についていろいろと名言が散りばめられていて心に残る。例えば、上巻の最後の「会社は、土地の上ではなく、人々の心の上に立っている」
人々の心の上であるから、人心を失うとリーダーたりえないわけだ。人の心を掴むには、セルフコントロール、自己制御力が大切である。
かつて平社員だった私のことをさん付けで呼んでいただいたことが、今だに心に深く残り、いわば私の心を掴んでいる。謙虚さは、自己制御力の別の表現である。
「お金が出来ても、地位が上になっても、男は人前で威張ったような言葉を口にしたり行いにだしたりしては駄目ですよ。それが限度になってそれ以上偉くなりませんということです。
〜中略〜
朝、会社に入る時でも、夕方会社を退く時でも、男子社員に対しても、女子社員に対しても、社長や重役のあなたから先に「おはよう」、夕方には「お先に」とあいさつするのです。もうこれが自然に出るようになれば、友達でも取引先でも、ごく自然な美しいあいさつになり、愛される社長、褒められる重役になること必定ですよ。
〜中略〜
政治家も事業家も自分がえらくなっても、謙虚な心を失ってはいけません。それは感謝の気持ちから出てくるのです。神仏に対する感謝、それよりも何よりも、大勢の人々の力によって私は生きているんだという、人々に対する感謝こそ謙虚な心が生じる源泉ですよ。あなた一人ではこの世に生きられないのです」(下巻一から)
A社の二代目リーダーは大塚正士氏とは比べるべくもないが、リーダーのあり方について多くの示唆を与える。二代目リーダーは自らの本能に身をゆだねて、自己抑制、セルフコントロールがいささか足りなかった。
それに比して大塚正士氏は実証で、すなわち大企業に育てあげたという実績を背景として、リーダーのあり方について深く教えるものがある。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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