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ブログ・川﨑 依邦
労働審判・全面勝利体験報告(18)会社に尽くしてきたというが…
2010年9月22日
「送られてきた合意書を見て、第2条に書いてあることが自分に不利な内容ではないかということは漠然と感じました。しかし、配車リーダーとなった際に社長から受けた説明では、自分は管理職扱いになるから、残業代は請求できないとのことでした」
「社長は自ら物流専門の経営コンサルタントとして各地でセミナーを開催しているとか、社会保険労務士の資格を持っていると常日頃から言っていたため、法的知識のある人がいうのだからそうなのだろうと思っていました。仮に自分に割増賃金の請求権があるとしても、それがどの程度の金額であるのか、全く見当もつきませんでしたし、請求をしても払ってもらえるとは到底思えませんでした。結局、安易に合意書にサインをして返送しました」3・相手方に対してのぞむこと
「私は本当に会社のために尽くしてきたつもりです。家族に負担をかけながら過酷な勤務に耐えてきたのも、自分が犠牲になることで会社を救いたいとの思いからでした。免停中に業務に従事したドライバーの免停の原因は、飲酒運転でした。そのような反社会的行為を許すべきではないし、ましてや会社に隠して業務をするなど言語道断のことです」
「厳罰をもって臨まなければ他の社員に悪影響が及び、結局は会社の成長を妨げると思い、『懲戒解雇以外の処分はありえない』と、私の見解を述べました。このときまでは、社長も自分に期待してくれていると思っていましたし、会社のためを思って言っているということは社長にも通じるものと信じて疑いませんでした」
「ところが、自分が正しいと思って述べたことが報復人事となって跳ね返ってきて、結局は仕事を失うことになってしまいました」(申立人の陳述書より)
申立人は「会社のために尽くしてきた」という。本当に会社のために尽くしてきたのか。今となっては疑問である。金のため、自分のためではなかったのか。申立人は、できるだけ楽をして給料だけは目いっぱい欲しいというタイプの男で、余計な仕事は一切したくないといった感じである。
これでは会社のためにはならない。申立人をより生かそうとして成した人事異動(配車から営業へ)が報復人事と申立人は主張する。配車から営業へと職場の幅を拡大して申立人の力量を伸ばそうとしたのに申立人は曲解する。
人事異動にあたって給料はそのままだし、降格もしていない。それでも「報復人事である。パワハラである」と申立人は主張してくる。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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