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  • ブログ・川﨑 依邦

    労働審判・全面勝利体験報告(33)足元をしっかり見据える

    2011年2月25日

     
     
     

     ウ なお、申立人が配車リーダーから人事異動となったため、平成21年7月21日から、新たに採用した従業員を配車リーダーとして、それまで申立人が行っていた業務を担当するようになった。申立人が配車業務を行っていた同20年8月から11月までの月平均売り上げは、約1946万円であるのに対して、申立人が配車業務を行わなくなり、退職した同21年8月から11月までの月平均売り上げは、約3009万円(前年比154%)と大いに伸びている。

     



    現在の配車管理と比較しても、申立人の勤務態勢には余裕があったといえ、また、これは人事異動が経営にとってプラスになる合理的なものであったことを裏付けるものである。

     
    エ 以上のとおり、上記人事異動については合理的な理由があり、内容も不当なものではなく、何ら不法行為にはなり得ない。

     
    (3)退職の申し出が、申立人の側からなされたものであること及び、合意書(乙23)が任意に作成されたこと

     
    しかし、翌7月18日、川?常務から新規の引越業務について、現場を知るために初日の運行には立ち会って欲しいと依頼したが、急遽、申立人は、「日をまたぐ業務はできない」「自分は管理者としてこれからやっていく自信がないので辞めたい」と申し立てた。

     
    それに対して川?常務は、「簡単にあきらめずに頑張ろう。これからじゃないか」などと言って説得したが、申立人の辞職の意思が強かったため、結局、これに応じたものである。

     
    そうして、申立人は、「本日付で退職したい」「私は自分で納得して決意したが、後々に遺恨を残さないために会社都合として処理してくれ」と言い、それに対して、川?常務が、「即答はできない。とりあえず今日の業務はまだ途中だから御願いします」と言ったものの、申立人は「一刻も早く事務所を出たい。すぐに帰りたい」と言って、そのまま帰宅したものである。(答弁書より)

     
    経営者は逃げてはならない。ここぞという時は踏ん張らなくてはならない。大げさに言えば、命を賭ける覚悟で立ち向かうことである。それこそストレスが高まり、眠れぬ日々が続くこともある。ここで踏み止まって、勇気をもって立ち向かうことである。

     
    足元をしっかり見据えることも大切である。足元とは、コンプライアンスの重圧を跳ね返していくための社内整備が出来ているかどうかである。社内整備の中核は給与規定にある。足元=給与規定をしっかりと整備することである。 (つづく)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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