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ブログ・川﨑 依邦
労働審判・全面勝利体験報告(45)「運行管理者」とは
2011年6月3日
さらに、申立人については、出退勤簿の記載は必要なく、終業時に配車日報を提出するだけでよく、その配車日報も、早退などを行っている時には作成されないときもありました。なお、この配車日報は会社の所有する財産ですが、申立人が在職当時の配車日報の綴りが見当たりません。
労働時間について、このような申立人に対して、運転者については、運転日報にタコ・チャート(自動車に登載される運行記録)を添付させ、厳密に出勤時刻と退社時刻の管理を行い、時間外労働時間の計算を行っていました。また、休暇・欠勤についても、それぞれ適式の届け出が必要とされていました。3 申立人は、無免許運転をしていた従業員の処遇をめぐって、申立人が川?社長と口論になったと主張していますが、そもそも川?社長と口論になったというほどのことはありませんでした。
4 申立人に対する人事異動についての事情を説明します。上記従業員の無免許運転といった不祥事をきっかけにして、相手方においては、社内の管理体制を強化する方針を打ち立てました。申立人は配車リーダーとして、かねてから業務姿勢に問題があり、平成21年7月7日付で業務姿勢を改めるよう指示をいたしました。
申立人は例えば、勤務中にネットオークションで私物を購入したり、幹部会議の内容を特定の従業員に漏らしたり、特定の従業員を配車で不公平に優遇するなどの問題行為が認められたのです。しかし、その後も申立人は、配車業務が厳しいなどと愚痴を言うばかりで、業務姿勢の改善に積極的に取り組もうという態度が見受けられませんでした。
さらには、特定の荷主の担当者との関係がうまくいかず、私に対して、「これまで何度も話してきたが、特定の荷主との取引が続く以上、自分の苦痛は一生続く。辛いんだ」などと発言しており、かつ、これまでの日報においても同様の記載が認められたので、私は川?社長と協議して、申立人は配車業務に限界を感じているものと判断し、人事異動をすることになったのです。
(陳述書より)
◇ ◇
運送業における運行管理者が、名ばかり管理者であったと申立人は主張する。この主張が正しいとすると、運送業の運行管理者は全て時間外手当の支払い対象となる。「こんなバカげたことがあってはたまるか」というのが経営者の本音である。ドライバーの安全管理、車両管理、労務管理の中心が「運行管理者」である。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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