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ブログ・川﨑 依邦
一人でも入れる労働組合がやってきた(44)経営の3本柱と社訓
2012年5月11日
経営方針書の根本方針は、?ドライバー教育に取り組む?収益力の向上–?「入るをはかって出ずるを制す」?会社組織の確立–?定例の「実績検討会議」をする、の3本柱である。
思えば、一人でも入れる労働組合が登場してからというもの、自分を見失うところがあった。A社長の反省である。夜もぐっすりと眠れていない。落ち着いて経営のことを考える心の余裕もない。「いつ潰れるか」という強迫観念にさいなまれてきた。これではいけない。
ようやく経営の3本柱を打ち立てることができた。やるべきことをしっかりとやり通す。そうすれば会社も人も元気づく。やるべきことをおろそかにしていては活気がなくなる。経営の3本柱をしっかりと守っていくこととする。
そこでA社長は元気よく朝礼や会議の時に唱和できる「社訓」創りをすることとした。「社訓」と言ってもA社長はすぐさま思い浮かばない。「そういえば、荷主の○○の朝礼では出席者全員が大きな声で社訓を唱和していたな。我が社も大きな声で唱和できるようにしよう」。
A社長はすぐさま思いつかなかったが、ふと明治憲法の五箇条のご誓文を思い出した。明治天皇が新しい世の中(明治維新)になって全国民に発した五箇条のご誓文である。「確か?和を大事にせよ。皆と相談して進めよ。上下心を一つにせよ…?という内容であったなあ。これを我が社に当てはめるとどうなるか」。そこで出来たのが五箇条の社訓である。
?私たちは企業の永続と成長を目指します
企業にとっては、続くことが大事である。続くためには人の成長がなくてはならない。
?私たちは安全第一を誓います
運送業にとって安全は生命線である。寝ても覚めても無事故を誓って行こう。
?私たちは一人ひとりの幸せを獲得します
やはり良い会社にしていくことが一人ひとりの幸せとなる。労使でしょっちゅう揉めていては会社も人も幸せとは言えない。「幸せになろう」を合言葉とする。
?私たちは物流の社会的使命を達成します
荷主に貢献することである。物流はなくてはならぬ。環境にも優しい企業を目指していこう。
?私たちは高収益会社を目指します
一人ひとりの給与を払い続けるためには高収益であらねばならない。存続、成長するための必須条件である。A社長は五箇条の社訓を作り上げた。「よし、五箇条を毎日唱和して元気のある会社創りをしていこう」。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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