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  • ブログ・川﨑 依邦

    中小運送会社の経営改善の記録(3)死中に活を求める

    2012年7月12日

     
     
     

     緊急全体会議は危機感を共有することが目的である。揉めている場合ではない。そこで打ち出した方針は次の通り。「今までの配車担当者は12月末をもって親会社に帰ってもらうこととする」「新任の配車担当者は私の息子とする」。なぜか。



     親会社から来ている配車担当者とドライバーの間はギスギスしていて、とても一つにまとまる雰囲気はない。そこで、ドライバー一人ひとりの目を覚ますためにも、大胆に配車を変えていくことにした。しかし、配車をしてくれるドライバーを探したが見つからず、私の息子(常務)しか居なかったわけである。

     会社が潰れるかどうかの瀬戸際で、荷主の当社に対する評価は最悪である。ドライバーの当日欠勤は続出する。部外者が急にやって来たということで、これまでの荷主との信頼感はなくなっていた。名古屋の地理も業界のことも知らない、いわば素人がわけも分からず配車する。荷主からクレームを頂戴する日が続いた。

     「何とかしなくてはならない」と心あるドライバーが協力してくれるようになる。3か月精いっぱい頑張って、それでも荷主が運送契約を解約してきても「それはそれで仕方がない」と腹をくくる。ドライバー一人ひとりに緊急全体会議で語りかけた。「当日欠勤は荷主に迷惑がかかるからやめよう」「クレームゼロで頑張ろう」。三つに分裂していがみあっている場合ではない。労働組合と団体交渉している場合でもない。なにしろ、いつ潰れるかどうかの瀬戸際である。そして3か月が経つ。結果として、主要荷主は運送契約の解約を撤回した。

     この間の常務の頑張りは大きい。体重も10キログラム減少したほどである。「死中に活を求める」という言葉がある。必死になってやれば、道は開けるということである。労働組合の活動は一旦休止する。決め手となったのは、労働組合の委員長を配車担当者にしたことによる。常務の3か月の頑張りは頑張りとして、いつまでも続けていいというものでもない。労働組合の委員長が配車担当者なので、7人の組合員も中心者を失うことになり当然、一旦休止となる。そこで平成20年2月、実質上の労働組合の活動停止を宣言する。会社が潰れてしまえば元も子もない。経営者も交代しているので、しばらく様子見でいこうとなる。

     しかし、労働組合の活動が停止したからといって、労務トラブルの火は消えてなくなるものでもない。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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