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  • ブログ・川﨑 依邦

    中小運送会社の経営改善の記録(21)社名変更で気分一新

    2012年11月30日

     
     
     

     占い師によると「プレジャーは井戸の水を掘っていく名前である。色々な苦労があっても努力し続けていけば、水がコンコンと湧き出る」。社名変更の狙いは、社内の意識改革にある。これからもしっかりと責任を持って経営していくとのメッセージを伝えることにある。合わせて対外イメージの刷新を図ることでもある。



     不安がなかった訳ではない。会社名は財産だ。創立40年に及ぶ会社の社名変更は一大事である。主要荷主はなんというか。ひょっとして「いらんことをするな」と反対するかもしれない。プレジャーという名前が浸透していくだろうか。およそ運送会社らしくない名前である。しかし社名変更を決断し、実行する。

     「一人でも入れる労働組合」はすでに消えている。旧昌和運輸で発生した労務トラブルはこの際、名実ともに社名変更で水に流していく。激動の3か月(平成19年11月?同20年2月)を乗り越えて、グリーン経営の取得、給与改革(同年11月)を成し遂げてきた。心機一転の意味を社名変更に込めている。

     社名変更にはコストもかかる。制服の一新である。どのような制服にするか、全体会議でドライバーの意見を聞く。5種類の制服を示す。作業性はどうか(仕事がしやすいか)。デザインはどうか。色々と確かめられていく。中には黒色の制服が良いという者もいる。汚れが目立たないからとのこと。一方で黒だと「その筋」に見られる。ダンプの運転者で「黒」だと、その筋(ヤクザ)っぽい、もしくは暴走族のイメージがあるという。赤色の制服を推薦する者もいる。目立つからという。一方、赤は恥ずかしい、という者もいる。結局、現在の薄いグリーン色の制服に決まる。2着は無償貸与とする。更に封筒や名刺も変わる。車についても昌和運輸の名前を消さなければならない。プレジャーの社名を、どのくらいの大きさで、どこに明示するか、ドライバーと相談して決めていった。

     社名変更の効果はある。何よりも気分が一新する。新生という気分になる。平成19年11月に、どこからともなく経営コンサルタントがやってきて、任務が終わると「すぐにいなくなる」のではと不安視していた者に対して、前向きのメッセージを出すことにつながる。「いなくなることはない。これからしっかりと経営して永続し、成長する会社を目指していく。そのための社名変更、昌和運輸からプレジャーへの変更である。新しい旗=プレジャーに結集して共に力を合わせて進んで行こう」。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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