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ブログ・川﨑 依邦
中小運送会社の経営改善の記録(22)Gマークの取得
2012年12月7日
Gマーク(安全性優良事業所)の取得は平成21年12月である。取得の準備は、社名変更を成し遂げてすぐさま、同年3月からスタートした。Gマークの取得は、ダンプ車両のみ保有している会社(当時)としては画期的なチャレンジである。運送会社として社会的イメージを高めて安全第一を実現し、環境に優しい会社づくりを成し遂げることを目的とする。
グリーン経営やGマークの大前提は5Sの実現にある。月1回の全体会議で必ず5Sミーティングを行うこととしている。乗務員が使う休憩室はピカピカにする。そのためには持ち回りで担当者を決めて行う。トイレについても順番で、清掃マニュアルを作って行う。「掃除なんか、どうしてドライバーがするのか」といった反発を説き伏せていく。事務所についても朝礼、夕礼時に5分間の5Sを行う。机の上や周りを綺麗にする。車の洗車も心をこめて行う。ゴミを分別し、敷地内のポイ捨てをしないことを徹底する。?5Sの汚れは心の汚れ?として戒めて取り組んでいく。その上で、5Sの基本中の基本として気持ちのよいあいさつ、大きな声でハキハキと行うことを実践する。Gマークの取得は単にコンプライアンスを守ることだけではなく、心のコンプライアンス=5Sをしっかりとできる会社を創ることにある。一つひとつ、今まで十分にできていなかったことをやり切ることである。点呼の実施及びその記録、保存は適正か。運行記録計による記録及びその保存、活用は適正か。乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。乗務員の記録(運転日報)の作成、保存は適正か。運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正か。特定の乗務員に対して特別な指導を行っているか。…一つひとつ現状の不備をつぶしていく。
例えば、点検記録簿フォーマットについて全体会議で説明していく。点検者も、毎日の点検チェックを通してドライバーとのコミュニケーションを深めていくこととする。会話のキャッチボールである。「今日も安全に」「今日も一日頑張ろう」と一声をかけていく。Gマークの取得プロセスで社内のコミュニケーションを深めていく。5Sの実践を支えとして取得へと進んで行く。Gマークが取得出来て、ステッカーを車に貼ることができた日は忘れることはできない。今までの苦労が頭に浮かぶ。何よりも身が引き締まる。Gマークのステッカーを車に貼って事故でも起こすと大変だ、と身が引き締まる。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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