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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(9)収支計画、二つのポイント
2013年5月31日
収支計画は実績(直近決算)に踏まえて作成する。ポイントは二つある。
一つは債務超過状態からいつ脱出するかである。「5年で脱出せよ」とは国策である。実際は10年で脱出収支計画を作る。もう一つは借入金を何年かかって返済できるか――債務償還年数である。15年が目安である。そのためには、直近決算をデューディリジェンス(再査)する。実際はどうか、粉飾をそぎ落とし真実の姿を掴む。その上で毎年いくらのキャッシュフローを稼ぎだせばいいか算出。キャッシュフローとは税引き後利益と減価償却費の合計額のことである。借入金÷キャッシュフロー額<15年。債務超過額÷税引き後利益<5年とする。「とても15年では借入金を返済できない」と諦めることはない。20年でどうかと粘り強く銀行と交渉していく。「とても5年では債務超過は脱出できない」と絶望することはない。10年でどうかと再計画していく。何よりも実現の可能性がある経営改善計画を作成する。絵空事であってはならない。絵空事とは根拠のないことである。「毎年売り上げを10%ずつアップします」と言うだけでなく、確かな根拠を示していくことである。
実現の可能性が高いのは、内部改革である。決断と勇気をもって内部改革する。というより、必然的に給与改革せざるを得ない。場合によっては人員リストラせざるを得ない。運送業ではドライバーをリストラすると売り上げが下がる。しかし、売り上げが下がっても、利益(キャッシュフロー額)を叩きだす経営改善計画を作る。
収支計画のフォームは左の通りである。 -
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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