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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(16)変化して活路を見いだす

    2013年7月19日

     
     
     

     朝礼・夕礼を実施し、職場ミーティングを月1回定例化していく。コミュニケーション力アップのはじめの第一歩である。A社長いわく「今まで成り行きでやってきた。うちのような零細運送業で実際に朝礼や夕礼ができるのか、つくづく悩んだ」。



     企業再生は変化の中に活路を見いだしていく。今までの日々の活動のやり方を変え、マンネリを打ち破るために、事務所やドライバーの休憩室から変化させていく。今までの事務所はけじめがなかった。ドライバーは平気で配車をしている机まで乗り込んできて、ブツクサ配車の文句を言ってくる。そのうえ、そこかしこでタバコを吸い、灰が散らばる。そこで事務所内を禁煙とする。毎日自ら掃除をすることからA社長の1日が始まる。休憩室はもっとひどい。スポーツ新聞が放りっぱなしで散乱し、あろうことかドライバーの求人雑誌まである。隙あらば転職ということである。

     5S(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ)をキーワードとして変化の中に活路を見いだしていく。朝礼、夕礼も簡単そうで、そうではない。全員が定刻に集まらない。「忙しい、忙しい」と、つい疎かになってくる。朝礼、夕礼の目的は働く一人ひとりの心を一つにすることである。心を一つとは、赤字から黒字への転換である。職場ミーティングも定着までには一苦労する。ドライバーは仕事以外のことはしたがらない。嫌々出席してくる。発言もしない。テーマとは異なることを言いだす。給料が低いとかの不満、配車への不満などである。A社長の強い決意なくしては職場ミーティングは進まない。「職場ミーティングに出たら出席代をくれますか」と言ってくるドライバーもいる。出席代とは給料手当(お金)のことである。

     A社長はドライバー一人ひとりと真摯に向き合っていく。「出席代は出せない。その代わり目標を達成したら表彰するよ。成果判定は6か月だよ」。A社では経営不振のせいで、ここのところ賞与が出せていない。なんとか小集団活動によって成果を出して賞与=表彰したいというA社長の強い想いである。「俺達ドライバーに職場ミーティングとかいって面倒臭いことを言わないで下さい」。そう言うドライバーを説得していく。「どうしても嫌だったら、職場ミーティングのない会社に行ってくれ」。A社長の言である。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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