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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(33)営業改革実践シリーズ1

    2013年11月22日

     
     
     

     運送業にとって営業改革は「入るを計って出ずるを制す」の経営原則の中心となるものである。「忙しくてとても手が回らないよ」と諦めていてはならない。心を強くもって1日1日、隙間を活用して地道に営業活動を展開していく。今回からは営業改革実践シリーズとして30の事例を紹介する。



     (1)営業用パンフレット活用事例
     A社…車両台数30台 ドライバー28人
     主な荷主として中堅事務用品メーカーと大手運送会社の2本柱を軸として、もう1本の柱を立てるべく荷主開拓を行う。

     営業改革への取り組み
     ■?ドライバー=セールスドライバー?であることの意識力強化
     「物流品質(ドライバー)の向上」→「会社の質の向上」→「荷主・着荷主を含めた取引関連企業へのイメージ・信頼感アップ」→「売り上げ向上に必ずつながる」という考えの下、毎月1回ミーティング時に、マナー実習はもとより簡単なロールプレイングを中心として営業手法まで学習させている(徹底した教育)。

     ■営業の実践
     A社では、営業用パンフレット(ドライバーの意見が中心のもの)を作成し、ドライバーに荷主・着荷主近辺の会社に1日最低5枚を配布させている。問い合わせなどがあれば、社長または幹部が必ず訪問して会社案内を行い、今回実を結ばなくても次回へとつながる内容とすることなど、必ず訪問したドライバーへ結果を報告している。

     ■評価制度
     営業による成果は、問い合わせによる電話だけであってもしっかりと評価していく。また、社長または幹部が訪問した会社には、ドライバーの応対(マナーを含めた営業態度)を5段階評価してもらい、月次評価の参考基準としている。

     A社で、このような取り組みを始めて1年足らずではあるが、25社の新規取引先を獲得し、300社を超える会社へ自社の紹介ができたということで、確実に結果を出している。A社社長の持論は、「商売とは、お互いの信頼から始まる。信頼が信頼を呼び新たな商売へとつながっていく。信頼を得るためには、会社の顔となるドライバーの?やる気?と?教育?は欠かせない」。

     全員参画体制で営業開拓に取り組むこと。単にハンドルを握るだけではない、考働ドライバーである。考えて働く。知恵と工夫を発揮していく。チリも積もれば山となる、との言葉もある。1日1日、わずかな隙間、たとえ5分、10分でも実践し、一人ひとりの力を発揮していくことである。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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