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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(62)経営活性化シリーズ10

    2014年6月27日

     
     
     

     ?足元を固める─5Sに取り組むこと=基本原則に立脚する─



     「仕事量が減って車両稼働率が低下している」「これといった営業案件もない」「この先どうなっていくか不安だ」と心配する声を耳にする。この先の経営に危機感を持って、どのようにして厳しい情勢を生き残っていくか考えることは大切である。

     しかし、そうした日々の悩みや忙しさでつい初心を忘れてしまいがちである。〈自社の目的は何か?〉ということを経営者はもちろん、社内メンバー全員で常日頃から認識できているかが企業経営にとって重要である。

     苦しい経営環境下にあってこそ、会社の目的や働く意義といった基本原則を忘れないことは、経営方針・営業方針など、あらゆる企業経営対策の土台になるものである。

     基本原則を忘れないためには具体的にどうすれば良いか。それは、5Sに取り組むことである。整理・整頓・清掃・清潔・躾を愚直に、日々実践することである。掃除は事務スタッフ・新入社員がやることではなく、経営者も含めた社内メンバー全員で実践することだとは皆理解しているはずである。

     しかし、日々の業務に忙殺されてくると、5Sがおざなりになってくる傾向があることは否めない。「自分は常に忙しいから特別だ」という甘えや奢りの考え方は気付いた時に改めること。

     社内で中核的メンバーであろうがなかろうが、「5Sが企業経営の基本原則」であることは間違いない。経営者は社内の美化に取り組まなくてもよい、という会社はどこにもない。社内で中核的立場(経営的立場)になればなるほど、社内の美化に対しての意識を強くもたなければならない。

     5Sの基本は整理整頓である。毎日必ず、業務に就く前に自分の机や他メンバーの机を拭いて回るということも5Sである。そうしたことを社内メンバーで順番に割り振っていくという工夫をするのも良いことである。経営がうまくいっている会社は必ず、5Sも実践している。「事務所内は綺麗であいさつも気持ちよい」という、また来社したくなるような会社は、5Sの積み重ねで実現することができる。

     朝礼や夕礼を日々実践している会社や、経営幹部も日報中心に経営を実践している会社は、5Sの一環としてそれらも確実に習慣化させていくこと。コミュニケーションを充実させると共に、経営課題を迅速に捉え、その対策を早い段階で講じることができるというメリットがある。コミュニケーションが取れていないと小さな問題が発生した時にそのままになってしまい、やがてそれが大きな問題に発展した時に手の施しようがないということになりかねない。

     一見、日常で当たり前に行っているが、企業経営にとってとても大切なことであることを認識して、社内一丸で苦しい経営環境をたくましく生き残っていかねばならない。「基本原則に立脚する」気持ちを常に心に留めておくことである。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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