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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(71)経営活性化シリーズ20
2014年9月4日
?会社の足元を固める意識を持とう「プライドをもって仕事に臨む」
中小規模の運送会社は隷属的な荷主関係になりがちである。荷主というより同業の下請けとして活動しているケースも多い。当然のことながら運賃条件も悪くなり、採算性が低下する要因となる。採算性を向上させるためには、直荷の仕事を確保できるように自社の強みを伸ばして営業力を発揮させるしか道はない。しかし、現実的にはなかなか思うようにいかないものである。利益を残すためには、何よりも売り上げを優先的に確保しなければならないが、優良顧客とばかり取引できるとは限らない。初めての取引の場合は、相手先企業がよほど有名な企業でない限り、少なからずのリスクが付きまとう。リスクを恐れて安全ラインで既存の取引先だけで収益確保できればよいが、中小企業はそうでないケースが多い。ではどうするか。
自社の考えをしっかりと主張して条件面を詰めると同時に、契約書などを確実に取り交わす。つまりリスクと闘うことである。
それを実践するためには、会社の普段の営業姿勢が問われる。ここでいう営業姿勢とは、次の3点である。
? 曖昧に、漠然と請求書チェックや支払い明細チェックなどをしない。事務関係処理をしっかりとする。
? 新規案件の契約書や条件面の詰め合わせを軽視しない。自社の主張はしっかりと伝えていく。
? 自社が考える最低限の条件が先方と折り合わなければ、縁がなかったと切り替えて新たな道を歩むという強い姿勢(プライド)を持つ。新たな取引や案件受注時には、これら3点を心に秘めて動かねばならない。新たな仕事に取り組むに際しては、自社の現場スタッフ(ドライバー)や協力会社など、複数の関係者の力を借りなければ成功しない。中途半端な仕事の進め方(特に新規取引先案件の場合)では、信頼してくれている人間の気持ちを裏切ることにもなりかねない。
そうならないためにも、この3点は必須条件で確実に行うこと。中途半端な営業の進め方で後悔しないようにすること。プライドを持った仕事で活路を開いていくことが経営者・管理者に求められている。トップの営業姿勢を見て下のメンバーも育ち、会社の姿勢・スタンス・プライドが確立されていく。プライドとは使命感にもつながる。物流を通して社会に貢献しているという使命感がプライドを生む。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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