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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(82)経営活性化シリーズ31
2014年11月28日
(31)事故ゼロを目指すための基本原則― チームミーティングの実践 ―
安全第一は運送業の鉄則。無事故に対してどれだけの熱意・執念を持って管理・監督しているのかを、管理者は胸に手を当てて見つめなおすことも時に必要である。「事故はダメだ」と常日頃から危機感を感じていても、安全に対する活動を具体的にどのように展開しているのかを明確に答えられるようでなければならない。実際に事故が起きてから、これまでの無事故への取り組み活動を思い直し、反省し、是正しようとしても、形式的な安全会議ではドライバーの心を一つにまとめていくことはできないからである。失ってしまった荷主の信頼を回復するのは、時間と労力が必要となる。地に足ついた安全活動を普段から実施することが大切である。「日々の業務で時間がない」は言い訳にしかならない。管理者が、どこまで無事故に執念を持って達成する気持ちがあるかどうかで、活動の中身、雰囲気が変わってくる。では、地に足ついた安全活動とは具体的に何か。
?大テーマを掲げる(例:無事故100日・修理費削減など)
?複数の少数チーム(5人1組)に分割して班長(チームリーダー)を設定する
?班長が中心になってチームミーティングを週1回実施する(ミーティング内容は、管理者があらかじめ決めて班長に知らせておく)
?チームミーティングの出欠や議事録を班長が記録して管理者に提出する
?それぞれのチームから提出のあった議事録の内容を管理者が確認して、会社全体の安全会議のテーマを決定して実施する
?大テーマが達成できた暁にはチーム報奨金で評価する前記???のサイクルを継続していく。マンネリにならないように常に工夫する気持ちが大切である。継続する、工夫するということがなかなかできずに途中で頓挫してしまうケースが多いのも事実である。継続させるためにパターン化させていく。とにかく継続していく過程で改善・改良の気持ちを持っていれば、自然と中身も充実してくる。全員参加させるだけでも難しいという声も聞くが、管理者のリーダーシップ力があるかないか(収益率が良いかどうか)は、安全会議がいかに充実しているかを見ればわかる。何か大きな事故があってから「しっかりやっていればよかったな」と後悔しないように、管理者の方には無事故に対する意識を高く持つことである。
事故ゼロは運送業の強い願いである。チームミーティングの実践によって、全員参画体制でやり抜くことである。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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