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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(91)経営活性化シリーズ40
2015年2月27日
(40)配車マンは運送業の花形である
「配車マンは嫌われてナンボ」とは運送業界でよく言われることである。ドライバーから好かれながら、売り上げも確保する配車は現実的には厳しいものがある。配車マンの評価は、ドライバー(1台あたり)の売り上げである。ドライバーから好かれるだけの仲良しクラブを作るよりも、「金を稼ぐ」というシンプルな目標をトコトン追求しなければならない。機械的に右から左の配車を実践するだけではなく、いかにして効率の良い配車を組み合わせて売り上げを高めていくかが重要である。
稼ぐドライバーを育成していくように、配車マンは意識しなければならない。ただ単に売り上げを上げるだけではなく、経費を最小に抑える配車で売り上げ確保しなければならない。経費の大半は燃料代と高速代である。地場エリアの回転率を高めていくことで、経費を抑えて売り上げ確保していく。そのために配車マンが指示する配車について、ドライバーが信じて走るような闘う集団が利益を出すためには必要である。
「自分は売り上げよりものんびり走れる配車が良い」「自分はしっかり休みたい、8時間は寝たい」というようなドライバーは中小運送業の運行には向いていない。稼ぐためにトラックに乗車している。稼ぎたくないという人は自然に居場所がなくなるような緊張感のある職場が必要となる。
そうした意識を定着していくためには、配車マンとドライバーとの配車面談が有効である。1か月の現場評価を各項目ごと(燃費・配車指示への積極性、日曜日の出勤、洗車、車内5Sなど)に配車マンが評価して評価結果を元に面談を実施する。面談の目的は、「売り上げを確保するためにトコトン走るドライバーに育成していく」ことと、「配車指示に全面的に信頼を寄せる配車マンとドライバーの関係を構築していく」ことである。
配車マンは、ドライバーの売り上げを握っているというプレッシャー、荷主からのプレッシャー、社内、経営者からのプレッシャーとあらゆる方面からのプレッシャーにさらされている。
また、配車担当者はマルチプレイヤーである。マルチプレイヤーとは経営数字が分かること、ドライバーとコミュニケーションがとれること、ドライバーを一人前のプロとして育成していくこと、さらに、時にはトラックにも乗ること。まさにマルチプレイヤーのプロフェッショナルである。運送業の命運を握っている。運送業の中心(花形)と言われる所以である。それらに打ち勝っていくことが、配車マンとして信頼を勝ち得ていく道のりである。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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