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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(130)経営改革実践シリーズ(5)
2016年10月21日
小企業の生き残り作戦…事例A
〈厳しい売上高〉A社は創業30周年、2期連続の赤字、車両台数は13台である。筆者に経営相談の申し込みをしてきた。社長は2代目、一般企業からの転身者で年齢は35歳。社屋というか事務所は10坪くらいで、配車係の机が一つとあと2、3の机が並んでいる。配車係は50歳で、同社長の叔父である。
事務所を訪問して机の一角で面談する。社長自らコーヒーを入れてくれる。リストラで、女子パートにはやめてもらったという。A社の仕事内容は二つのグループに分けられる。
一つは、大手運送会社の下請けとしての食品の冷凍輸送である。2?冷凍車が4台、4?冷凍車が2台あるが、月の売り上げは2?冷凍車で60万円足らずである。1日当たりの運送収入は2万7000円。4?冷凍車のほうは、平均売り上げが65万円、1日当たりでは2万9000円。ともに平均稼働日数は22日程度。
「厳しい売り上げですね。平均稼働日数が22日というのが苦しいですね。もっと稼働日数は上がらないのですか」
「いい時に比べて20%は売り上げがダウンしましたよ。日曜日と祝日は休むことで元請けの運送会社と契約していますので、ひまなときはお呼びが掛からないのです。それで2日の稼働ということになっているのです」
運送収入に占める人件費率は60%に達し、完全に赤字体質となっている。
第二のグループは複数荷主(10社程度)を相手としている。4?の平ボディー車4台、大型車2台、2?車1台の計7台である。売り上げは2?車が月45万、4?車が50万、大型車が75万円。
「実に厳しい売り上げですね」。月間の走行距離は1日平均300??、22日で6600??といったところである。運送収入に占める人件費率も、これまた60%に達している。 -
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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