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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(225)宿命的体質の転換〈事例A〉

    2018年12月17日

     
     
     

    〈トップの自己変革〉

     

     こうしたリーダーシップを取るためには、何が大切か。それは親心である。親心とは、父性と母性のことである。父性とは旗印を掲げていく力強さ、頼もしさであり、母性とは優しさ、思いやりのことである。親心には、私心がない。自分の人生を人のためにサービスしようとする菩薩のごとくである。そして、親=リーダーは、頼るものがない。頼られる存在である。従って、自立心が強くないといけない。決して泣き言を言わない。孤独に耐えられる存在である。リーダーは親、メンバーは子、こうした信頼関係が大切である。まさに、リーダーの人間性の深さ、スケールがものを言うのである。

     第三歩は、トップの自己変革である。実は、このトップは、なりたくてトップになったわけではない。天から降るごとく、ある日突然、就任したのである。前任者が急死して、その息子ということで白羽の矢が当たったのである。それまでは、地道な公務員であった。従って、リーダーとしての自覚が不十分なまま、就任せざるを得なかった。内心の戸惑いが隠せないままの状態である。これでは真のリーダーが不在である。真のリーダーとして登場しなくてはいけない。自己イメージの確立である。

     「自分こそリーダーである。グループがわたしであり、わたしがグループである」との自己イメージをしっかり持っていくことである。リーダーシップを取るということは、縁あって存在している自分を自覚し、その縁に感謝することである。今まではいろんな人のお陰で生きてきたから、今度は人にお返しする時︱︱との自覚である。

     一歩、二歩と踏み締めて、企業体質変換をスタートしていく。「千里の道も一歩から」である。確実に歩みを刻んでいくことである。このごろ、トップは自車の走っている姿を街で見かけると、自然に合掌のポーズを取るという。

     「不思議ですねぇ。本当に有り難いとの思いが込み上げてくるのです」

     トップは、心に念じている。それは〝I am OK,YOU are OK.〟という「全肯定」の心理である。〝YOU are OK.〟とは、相手のいいところ、長所を引っ張り出して、生き生きとさせていく援助の決意を表している。父性(厳しさ)と母性(思いやり)のバランスを取って生かされている自己を認識し、一人ひとりを生かしていくことである。

     〝I am OK.〟とは、常に前向きで行く︱︱との決意である。一歩、二歩、三歩︱︱力強い歩みが、企業を活性化させていくのだ。        以上

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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