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ブログ・名南コンサルティングネットワーク
第11回:問題社員は採用時に見抜け!
2013年12月2日
従業員を採用したものの、何らかの問題を起こし、あるいは知らなかった事実が判明し、採用するのではなかった、と後悔する運送事業者は少なくありません。元々腰痛を抱えており、その事実を申告することなく就労し、数か月の勤務後に「腰が痛い。これは労災ではないか」といった申し出をしてきたり、精神疾患に罹患していたものの、完治することなく睡眠性を伴う薬剤を運転前に毎日服用していたり・・・。こうしたことは枚挙に暇がなく、どのように辞めてもらおうか思案に暮れている事業者は相当数あると推測されます。
思い切って解雇をしようと考えても、労働契約法第16条「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められているため、業務に直接的な影響を与えていない事由では解雇の正当性を巡ってのトラブルが生じやすく、実際にトラブルになれば事業者側が不利に立たされる可能性は高いのではないかと思われます。
これらを防止するには、採用時の面接で工夫を凝らし、独自の視点でいろいろなことを確認するとよいでしょう。特に、運転業務に支障が生じやすい事項については、例えば「腰痛を抱えていないか」「睡眠性を伴う薬剤を服用していないか」「何か持病を抱えていないか」などといった質問は、ぜひ投げかけたいものであり、持病とどのように向き合っているのか、定期的に診療をしてもらっているのかという点も把握しておきたいところです。
このような点は口頭で確認をすると同時に、採用後に「伝えた」「伝えていない」といった水掛け論を防止するために、書面で申告をさせるといった方法もよいかもしれません。もちろん、本人がどうしても回答したくはないという事項を強制的に申告させることは、プライバシーの侵害という問題を生じさせる可能性もありますので、そのような申告書を作成して運用する際には、「回答はしない」といった選択肢を設けるといった配慮も忘れてはなりません。
(服部英治・名南コンサルティングネットワーク http://www.meinan.net/)この記事へのコメント
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筆者紹介
名南コンサルティングネットワーク
東海地区トップクラスの経営コンサルタント集団。税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士など様々な資格を活かし、経営コンサルティングだけでなく労務管理、税務会計、各種登記・許認可申請、資産運用助言、ISO認証取得支援、マネジメントシステム構築支援など中小・中堅企業の経営をトータルにサポート。「運送業支援チーム」を結成し、業界特有のトラブル対応やトラブルの未然防止策などの経営支援に力を入れている。
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