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ブログ・野口 誠一
第5回:倒産の前ぶれ15カ条
2004年1月17日
八起会は倒産駆込寺であると同時に、倒産者の再起道場でもある。そのことはすでに紹介した。
私たちはこの二十余年間、毎月例会を開き、倒産とは何か、その原因は何か、どうすれば倒産を避けられるか、倒産者の再起は可能か、真の経営とは何か、等々について研修を重ねてきた。
その成果と、日々舞い込む倒産実例をもとにつくりあげたのが、八起会版「倒産学」である。
今回から順次それを紹介していこう。
前回も述べたように、大方の経営者は「自分にかぎって倒産するはずがない」と思いこんでいる。
そのためにぎりぎりまで粘り、かえって傷口(負債)を広げたり、縮小や撤退、あるいは事業転換によって生き延び得るチャンスをつぶしている。
そこで私たちは「倒産の前ぶれ15カ条」をつくり、広く経営者に注意を喚起している。
まずはその15カ条を示そう。
1)売上げの三カ月分以上の借金ができたとき
2)有能な社員が確たる理由もなく会社を辞めていったとき
3)経営者に日頃見られぬ不自然な行動があらわれたとき
4)まじめな経営者が「ウソ」をつくようになったとき
5)「あそこは危ない」という「ウワサ」が世間に広まったとき
6)経営者が派手に遊びはじめたとき
7)新製品が売れなくなったとき
8)努力しても赤字が続くとき
9)夫婦仲が悪くなったとき
10)家族や従業員に笑顔が見られなくなったとき
11)サラ金に手を出したとき
12)銀行に無理な資金計画を提出したとき
13)経営者が過信・高慢に陥ったとき
14)経営者が自分ひとりで取引をはじめたとき
15)八起会の記事が気になりだしたとき
以上の15項目のうち、4つ以上該当する会社(経営者)は「危険」と思ったほうがいい。
次回から、この15カ条の一つひとつを分析してみよう。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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