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ブログ・野口 誠一
第107回:失敗しないための戒め15か条 自信過剰は自分の首を絞めることと知れ
2004年11月20日
「失敗しないための戒め15か条」の第13条は「自信過剰は自身の首を絞めることと知れ」である。
何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」である。自信も過ぎれば過信となり、その先に待つのは高慢である。高慢経営者が成功したためしはない、とアタマでわかっていても、いつの間にか陥ってしまうのが、この自信過剰の厄介なところである。
この病気は、成功している、儲かっている中小企業の経営者ほどかかりやすい。会社の成長に心の成長が追いついていけないからである。
俗に「成金」というが、これは将棋からきた言葉である。たとえば、一方にしか進めない歩が成金になったとたん、六方に進めるようになる。いわば、一挙に6倍の出世である。そこで、急に金持ちになった人のことを成金というのだが、これは必ずしもほめ言葉ではない。ジェラシーもあるのだろうが、成金は金持ちが本来備えておくべき態度、行動、品性に欠ける分だけ侮られるのである。
成功するにつれ、儲かるにつれて、経営者のふところは豊かになり、その地位も向上していく。が、それとともに自信が過信に転ずる危険度も増していく。カネといい地位といい、たしかに社会的評価の1つのモノサシには違いないが、それですべてが測れるわけではない。が、自信過剰に陥った経営者は、それを万能のモノサシの如く錯覚し、そこから墓穴を掘っていく。心の成長が伴わなければ、カネも地位も侮られるもとになるとも知らずに。
私は常々、そうした経営者に、「だから」ではなく「しかし」の発想をするように説いている。カネも地位も得た。「だから」これでよし、という心のスキに高慢が忍び込む。が、そこで「しかし」と発想できれば、より人間力も高まっていく。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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