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ブログ・野口 誠一
第115回:夫の心得10か条 趣味、読書、ボランティア活動などで自分の器を磨け
2004年12月14日
「逆境を乗り切る夫婦の心得20か条」のうち、「夫の心得10か条」の第4条は、「趣味、読書、ボランティア活動などで自分の器を磨け」である。
医師も弁護士も公認会計士も、国家資格を要する。しかし、経営者は何の資格も問われない。資本さえあれば誰でもなれる。問われるのはただ1つ、経営能力だけである。では、経営能力とは何か。これがわかっているようでわかっていない。業績という結果でしかはかれないからである。といって、業績を上げさえすれば名経営者かといえば、そうとばかりもいえない。そこに「経営能力とは何か」の難しさがある。
私は常々「経営能力とは総合能力のことである」と言っている。もっと砕いて言えば、会社を倒産させない能力と言い換えてもいい。倒産の要因は業績の悪化だけではない。バブル崩壊時のように、本業は黒字なのに株や土地投機の失敗によって倒産を余儀なくされる例もあれば、安易に保証人になったり、大口の不渡りを食らったり、あるいは社員や取引先の造反・裏切り、自社製品の欠陥発覚など、倒産の要因は枚挙にいとまがない。その1つ1つに目を配り、倒産の芽を摘むとなれば、経営者はまさに総合能力を求められる。
大企業の場合、豊富な経営陣と経営システムのなかに総合能力が分散されており、ところてん式にサラリーマン社長が順繰りに入れ替わっても、さしたる問題はない。
中小企業の場合、社長が一枚看板であり、その器が会社の命運を左右する。とすれば、中小企業の経営者は何をおいても自分の器を磨き、広げ、人間力と総合能力を高める必要があろう。
趣味や読書、ボランティア活動というのも、その手段にすぎない。経営書をいくら読んだとしても、「経営オタク」になるだけ、総合能力には結びつかない。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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