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ブログ・野口 誠一
第116回:夫の心得10か条 公私とも(会社も家庭も)ムリ、ムダ、ムラの3「ム」をなくせ
2004年12月17日
「逆境を乗り切る夫婦の心得20か条」のうち、「夫の心得10か条」の第5条は、「公私とも(会社も家庭も)ムリ、ムダ、ムラの3『ム』をなくせ」である。
この3「ム」は経営の敵である。日本経済がようやく長期不況から抜けつつあるのも、各企業がそれぞれにこの3「ム」を克服したからにほかならない。それは必死の生き残り策でもあったが、世界市場からグローバル・スタンダードを突きつけられたからでもある。
連結、時価、減損会計の波は日本の含み経営を否定し、土地や有価証券を持つことのリスクを明示した。それがバブル崩壊後の軟弱な地合と相まって、地すべり的な地価、株価の下落をもたらし、土地神話、株式持ち合い制を崩壊させたと言っていい。
そしていま、経営を取り巻く環境は様変わりした。持ち合いを離れた株式は海外機関投資家や内外ファンドの手に移り、それが「モノ言う株主」として企業経営を監視し、口を出しはじめた。目下、日本企業は空前の増配ラッシュ下にあるが、「モノ言う株主」の口を封ずるにはそれしかない。
かつては内部保留の厚い企業が優良とされたが、いまはまったく逆。内部保留の厚さは経営資源を有効に活用していない無能経営とされ、TOB(株式公開買い付け)やM&A(企業の合併・買収)の対象ともなりかねない。
企業が株主のものである以上、これからの経営に求められるのは徹底した効率性、公開制、透明性であろう。そこに3「ム」の入り込む余地はない。大手がそうである以上、中小企業はさらに3「ム」を克服し、効率経営に徹しない限り、大手との取引や競争に勝てない。会社はもちろんのこと、奥さんの協力を得て家庭の3「ム」もなくし、両々相まって事に当たらなければ、逆境を乗り切ることは不可能であろう。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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