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  • ブログ・野口 誠一

    第123回:再起の群像 「理不尽な連鎖倒産」

    2007年4月1日

     
     
     

    Uさんが段ボール製造会社を潰したのは、連鎖倒産に巻き込まれたからである。最大の納入先だった会社が倒産し、割り引かずにあった、その会社の手形(2000万円)が紙クズになってしまったのである。それまでのUさんなら、2000万円ぐらいなら、なんとでもなる金額だったが、運悪く新工場、新設備を導入したばかりのときで、手元資金は底を突き、融資枠も目いっぱいでどうにもならず、創業13年目にして倒産を余儀なくされた。


    職人気質のUさんは採算よりも品質にこだわり、それが納入先の信用を高めた。また、いっさい手形を切らない現金取引も、仕入れ先の信用を高めた。Uさんは、この2つの信用をもって順調に業績を伸ばし、創業10年の頃には中堅どころまで会社を押し上げた。が、その頃から大手の進出が相次ぎ、過当競争が激しくなっていく。
     危機感をつのらせたUさんは、生き残りとさらなる飛躍を期して設備投資に踏み切った。150坪の工場を新設し、ドイツから最新の機械を導入した。そこへ降って湧いたのが納入先の倒産である。その納入先はUさんの最大の取引先で、売上高の4割を占めていた。これではひとたまりもない。リスクを分散しなかった過誤には違いないが、Uさんは律儀、誠実な性格で、仕入れ先や納入先を固定して、むやみに変えるようなことをしなかった。受け取った手形も割り引かずに抱え込んでいたほどである。
     そうした律儀、誠実が裏目に出た結果の倒産であり、まことに気の毒としか言いようがない。Uさんは泣く泣く倒産のホゾを固め、債権者に謝罪するとともに土地、家屋、工場、設備など、すべての資産をリストにして債権者の前に提示した。本来なら、この時点で事は決着するはずであった。が、悲劇はその直後に起きた。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    野口 誠一

    八起会 会長
    株式会社ノグチプランニング 代表取締役

    昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
    昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
    しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
    翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
    弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
    再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
    昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
    平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。

    電話番号:03-3835-9510(倒産110番)
    HP:http://yaoki.html.xdomain.jp/

     
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