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ブログ・野口 誠一
第215回:社長のワースト批評(2)
2009年4月10日
前回は倒産の原因ワースト第7位まで紹介した。以下、Eさんが社長を採点した手紙の中身を続けよう。
ワースト第6位・・・家庭不和・同族経営の弊害→50%合致
社長には2人の妹がいるが非常に不和。親の1周忌法要にも彼女たちを呼ばなかった。夫婦仲は円満、というよりいささか恐妻家。飲む、打つ、買うはなし。
毎日、午前11時半から午後1時半まで自宅で昼食、休憩。1日に3─5回も自宅(会社の隣にある)に出入りする。3キロほど離れたメーン工場に顔を出すのは2、3か月に1度程度。
第5位・・・新製品の欠如・技術開発の遅れ→90%合致
加工・組み立てがメーンなので自社製品はなし。ただし、将来のためにということで技術者を採用し、開発担当部を設置したが、その目的や方針が明確でないため、成果は上がっていない。社長は担当部長を陰でののしるばかり。顔を出すのも新年のセレモニーのときだけ。私がたまに「ちょっと寄ってみますか」と誘っても、答えはいつも「いいーっ」。
第4位・・・業界情報の不足と環境変化への対応不備→100%合致
社長室では、もっぱらパターの練習。業界新聞や経済雑誌に目を通して勉強する姿は見たことがない。また、今回のバブル崩壊に対しても何ら前向きな対策を打ち出すことができず、苦しくなって子会社の工場を閉鎖して社員を解雇しただけ。
第3位・・・事業目的・目標・計画性の欠如→100%合致
目の前に受注があり、それが儲かるから事業を継続しているだけのこと。目的も目標も計画性もまったくなし。あえていえば、社長とその家族の繁栄が最大の目的(?)かもしれない。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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