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ブログ・野口 誠一
第248回:協力者で伸びる業績
2009年12月11日
役所を装ったり警察と名乗ったりと、あの手この手で人をだまし、金を巻き上げていくのが詐欺師の本職だから、要はだまされないようにするしかない。
中小企業の経営者がひっかかりやすいのは手形詐欺である。自分に限ってだまされるはずはない、と信じ込んでいる経営者ほどひっかかりやすい。なぜなら、詐欺師は人なつっこい微笑をたたえ、「信用」という入り口から入ってくるからである。八起会の会員のなかにも、この手形詐欺にあって倒産を余儀なくされた経営者は少なくない。今回からそうした例を紹介しよう。
Nさんは昭和53年、薬科大学を卒業し、薬剤師試験にも合格し、大手製薬会社に就職した。担当は訪問販売員、いわゆるプロパーで病院や診療所に医薬品を宣伝販売する仕事である。この駆け出しの頃、ある病院のレントゲン技師だったAと知り合うが、これが後々、Nさんの人生を狂わせていく。
入社して5年、Nさんは仕事にも慣れ、プロパーが面白くなりかけたところへ突然、地方転勤を命じられた。悩み迷ったが、どうしても地方へ行く気になれず、やむなく会社を辞めた。その後、外資系の製薬会社に入社し、3年余り勤めたが、やはり外資の水が合わず、思いきって脱サラし、医薬品販売会社を立ち上げた。昭和61年のことである。
自信も成算もあるわけではなかったが、若さだけはたっぷりあった。まずはサラリーマン時代に開拓した中小の病院や開業医をまわり、細々とスタートした。案の定、初年度の利益はサラリーマン時代の年収の半分にも届かなかった。それが翌年度、Aの協力によって売り上げが一気に5倍増と膨らみ、大化けに化けた。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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