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ブログ・野口 誠一
第319回:検討重ねた5つの基本方針
2011年9月15日
私は自分の倒産体験を正直に綴り、倒産者の孤独、自殺者の絶望を率直に訴え、読売新聞に投書した。読売新聞は関心を示し、私は数日後、社会部の記者と会った。「あなたは倒産者が集まって語り合う会をつくりたい、そして互いに励まし合いたいとおっしゃいますが、具体的にはどういう活動を考えていらっしゃるのですか」。
この記者の問いに、私は検討に検討を重ねた五つの「基本方針」を提示し、詳しく説明を加えた。以下の5項目がそれである。
一、倒産しそうな人たちの相談に乗る
これは自分たちの体験を通して、具体的にアドバイスできると思います。要するに、現状を分析して再建すべきか、整理すべきかを判断し、見込みがあれば浮上の方策を、ないなら少しでも有利な整理の方法をアドバイスしたり、親身になってくれる弁護士を紹介しようということです。整理の方法を知らないばっかりに夜逃げしたり、一家離散したりというケースが非常に多いのです。それを一つでも二つでも食い止めたいと思います。
二、倒産者の就職の世話をする
いまは石油ショック後の不景気で、とても「倒産したって働く気さえあれば、なんとか生活していけるさ」というわけにはいきません。40歳を過ぎたら、就職口はまずないものと覚悟しなければなりません。しかし、倒産者の多くは40過ぎです。そこを集団の力で何とかしたいと考えています。
三、倒産者および倒産しそうな人たちの家庭相談に応じる
倒産は圧倒的に家庭崩壊を伴います。そのくせ、倒産者にとって、たった一つの心の支えはその家庭です。離婚や一家離散となると生きる「張り」を失い、安易に自殺へ直行してしまいます。その前に手を打ちたいと思います。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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