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ブログ・野口 誠一
第339回:活動はまだまだ続く
2012年2月6日
「私の履歴書」は今回が最後である。昭和53年、「自殺防止の会」として発足以来、32年目に入った。その間、他者救済を目指す「倒産防止の会」へと発展し、さらにこの十数年は「幸せさがしの会」にまで発展している。
倒産は経営上の失敗であって、人生の失敗ではない。人生の目的は社長になることではない。幸せになることである。幸せへの道は多様であり、その道を見つけよう、というのが「幸せさがし」の趣旨である。
そのきっかけは、やはり先のバブルとその崩壊である。バブルがいかに人の心を蝕んだかは、その前後でがらりと変わった「倒産110番」の相談内容が、何よりの証しである。
「倒産するしかありませんが、財産を残す方法を教えて下さい」
「財産を妻の名義にして離婚すれば、債権者に取られないと聞きましたが、本当ですか」
「主人が自殺したら、保険金も債権者に取られてしまうのでしょうか」
バブル崩壊後、こうした内容の電話相談が圧倒的に増えた。バブルは日本人を拝金主義に変えてしまったと言っていい。この「金さえあれば」「金がなければ」の風潮がその後、空前の企業不祥事、空前の自殺増加に結びついたことは言うまでもない。
警察庁が自殺統計を取りはじめたのは、八起会創立と同じ昭和53年である。以来、平成9年までの20年間、日本の自殺者数は2万5000人以下におさまっていた。それが平成10年、前年の2万4391人から3万2863人にハネ上がり、昨年までの12年間、3万人の大台に張り付いたまま動かない。その背景にバブル崩壊、長期デフレ不況、倒産、リストラ、失業があることは言うまでもない。
となれば、八起会の活動はまだまだ続けなければならない。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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