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ブログ・野口 誠一
第374回:「教訓」を生かす
2012年8月20日
さて、私は倒産後、それまで取引のあったスーパーの社長に、社員として雇用してもらいました。地獄で仏と言いますが、本当に助かりました。そして4か月間の勤務を経て、今度はそのスーパーの子会社・清掃管理会社(ビル・メンテナンス業)の取締役に登用され、今日に至っています。
いまの会社は従業員70人、年商1億4000万円程度です。業務の内容はビルやマンション、スーパーの清掃と管理です。主力のスーパー(全11店舗)には、常駐の清掃員として60人ぐらい派遣しています。そのほとんどが60〜70代のシルバー世代です。今期は欠員補充や勤務時間の変更などの理由で、さらに100人ぐらい面接し、三十余人を採用しました。やはり大部分は60〜70代のシルバーです。
1日3〜4時間の5日間勤務で、1週間15〜20時間勤務が基本となっています。もちろん雇用保険には加入していますが、社会保険の場合、1週間30時間未満の勤務では加入できませんので、そこはパスしています。それでもほとんどのシルバーが年金を受給しているので、「雇用されるだけでもありがたい」と、真剣に働いてくれます。
それに応えようと、当社は栃木県の最低賃金よりも20円ほど時給を高く設定しています。当社は典型的なサービス業ですから、売上高に占める人件費率は60%に達します。それでも経営努力によって、できるだけ損益分岐点を低くし、利益を出すような仕組みをつくっています。そこには私の失敗が大きく作用しています。先ほど私が倒産から得た教訓5か条を紹介しましたが、そのなかの「売り上げが落ちても利益の出る経営体質を構築」しているからです。私は倒産をひとつの教訓と考えています。いま、その教訓を生かしています。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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