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ブログ・高橋 聡
第184回:令和時代の運送業経営 BtoB、BtoC物流の現状(3)
2020年10月29日
「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウイルス影響のもとで「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
コロナ禍で異業種からの転職組や旅客のドライバーが面接に来ることも増えており、コロナ前とは状況が異なり「採用」そのものはしやすい状況になってきています。しかしながら、コロナ禍においての採用は特に慎重にすべきでありますし、この状況の中で転職してくるドライバー経験者は前職で問題を起こしている可能性があるので注意が必要です。
コロナ禍において経営者はドライバーの感染リスク対策や助成金申請、荷主との運賃交渉など、判断すべき問題が山積みの中、必死で経営にあたっていますが、ドライバーの中には労働時間が減少し給与が減ったことに不満を持つドライバーや、業務がキツイ、休暇が取れないといった不平・不満を言うケースが非常に多く潜在的であった会社への不満などが顕在化してきている傾向にあります。
休業手当は平均賃金の6割以上が最低ラインで、売り上げ減少に伴い歩合給も減っており、給与に不満を持つドライバーが増えているからです。元々ドライバー職は雇用流動性の高い職種ですが、コロナ禍においてその傾向は高まり、ちょっとした不満がきっかけで安易に会社を辞め、他社に面接に行くケースも多くなっています。
また、給与が減少したことに不満を持ち未払い残業代を請求する事例もあります。このような経営環境の中でも外部専門家は高速道路のSAに未払い残業代に関する広告を出しています。弊社のお客様でもコロナ禍において労働時間が減少し給与が減ったことがきっかけとなり、未払い残業代を請求された会社があります。
このような状況ですので、ドライバーを「採用しやすい」環境ではありますが、実際の採用活動に関しては注意が必要です。なお、コロナ禍の状況だからこそ「質の高い」ドライバーを採用できるチャンスでもあります。弊社のお客様でも、これまでにいないタイプのドライバーが面接に来るようになった、との声があります。
運送業はコロナ禍においても社会に必要とされる業種で重要なインフラを担っています。コロナ禍の厳しい状況ではありますが、会社が成長するチャンスと捉えることが必要です。
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筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
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