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ブログ・高橋 聡
第186回:令和時代の運送業経営 BtoB、BtoC物流の現状(5)
2020年11月26日
「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウィルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
前号までにコロナ禍での採用に関し「採用すべき・採用すべきでないドライバー」「入社前の確認事項」などについて説明させていただきました。
今回は最近、問題となる事が多い「SNS」対策について説明させていただきます。面接は一般的に履歴書を持参いただき実施します。学歴、職歴、家族構成、資格などは「履歴書」で確認することができます。職歴欄を見ればどのような業務経験があるか分かりますし、資格欄を見れば、どのような資格を保有しているか、確認できます。
しかしながら、運送業の現場では面接時には問題を起こすようでなかった方が、入社して数か月でいろいろなトラブルを起こすことが良くあります。つまり、「履歴書」と「面接」だけでは労務トラブルの発生リスクを抑えることが出来ない時代になってきたと言えます。
どちらかというと、BtoB物流系のドライバーは安定的に雇用されている場合が多く、出入りが激しいBtoC物流系の物流現場で労務トラブルが発生しやすいと感じます。元々BtoC物流系の方がドライバー同志の接点、交流が多く、コロナ禍の下で物量が増え、労働時間も長くなっていることが原因かもしれません。さて、一般的な紙の履歴書では分からない「人間性」や「主義」「志向」「人物像」についてその方が発信してきた「SNS履歴」を見ると良くわかるため、それを調査する会社があります。有償ではありますが、このような調査機関を活用し、発信しているSNSの内容、フォロー状況、写真などの画像情報について、本人名のアカウント及び(本人が行っている)匿名のアカウントについても調査することにより、履歴書などではわからない、その方の本当の人物像が分かることとなります。
例えば、前職で起こしたトラブルや、犯罪歴、あるいは労務に関するトラブル履歴なども入社前に確認することができれば「入社させない」という選択肢が取れることとなります。
全ての方がSNSをやっているわけではないので一概には言えませんし、SNSを含めて入社させるかどうかの最終判断は会社にあることは言うまでもありませんが、今後、労務トラブルを未然に防ぐために、履歴書と面接に加えて「SNS」の履歴を調査することが必要になってくると考えられます。
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筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
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