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  • ブログ・鈴木 邦成

    低炭素時代と物流

    2008年10月2日

     
     
     

    国内排出量取引制度の試行実施
     CO2の国内排出量取引制度が試行実施されます。すでに欧州連合では取引市場が成立しています。
     ご存知の方も多いと思いますが、再確認すると、CO2排出権取引、あるいは排出量取引 とは、「二酸化炭素(CO2)など地球温暖化の原因とされる温室効果ガスを排出する権利を国家、あるいは企業間で売買などで取引をすること」です。
     地球温暖化とはCO2などの大気への放出量の増加により、地球全体の平均気温が上昇するという現象のことですが、CO2はおもに石油などの化石燃料の燃焼によって排出されます。
     そこで九七年の京都議定書では「先進国全体の温暖ガスの全世界の排出量を九〇年の排出量の五%程度削減する」という目標が定められたのでした。
     そして考え出されたのが「CO2排出権(量)取引」という概念です。目標を達成できない国が削減目標量をクリアした国から足りない削減分を買い取るというシステムです。
    CDMの活用
     
     京都メカニズムでは排出量取引に加えて、共同実施(JI:Joint Implementation)、CDM(クリーン開発メカニズム:Clean development Mechanism)が目標達成のための柔軟性措置として導入されます。
     最近、排出権取引との関係からCDM(クリーン開発メカニズム)にも注目が集まっています。CDMとは先進国が発展途上国に技術、資金などを提供し、排出削減プロジェクトなどを実施するというものです。
     プロジェクトで削減が期待できるCO2排出量はそのまま技術、資金などの提供国の排出権となります。プロジェクト事業者が指定運営機関にプロジェクト設計書を提出し、審査、承認を受けます。すでに多くのプロジェクトがCDMとして承認されています。
     CDMのプロジェクトの種類には、エネルギー産業、エネルギー輸送、製造業、建設業、運輸業、廃棄物処理などの排出削減プロジェクトと植林、農業などの吸収源プロジェクトがあります。海外とのプロジェクトでCO2削減を念頭に我が国の物流企業が国際的な役割を担う可能性も出てきているわけです。
     なお、我が国においては経済産業省が「国内版CDM」ともいえる「中小企業等CO2排出量削減制度」の導入を検討しています。これは中小企業のCO2排出量削減を大企業が支援し、削減された排出量分のクレジットを買い取るというものです。

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    鈴木 邦成

    物流エコノミスト・日本大学教授
    国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
    欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
    国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

     
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