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  • ブログ・鈴木 邦成

    変わる社会環境、変わる物流システム

    2010年11月10日

     
     
     

    TPPへの参加判断
    環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加判断は2011年6月頃になる見込みですが、もし参加ということになれば日本を取り巻くグローバル物流システムも大きな変革期に突入することは避けられないでしょう。
    我が国が「経済大国」として生き残れるかどうか、製造業の空洞化や農業のこれまで以上の衰退の中で、小売業、金融業、サービス業などを中心にいかに新しいビジネスモデルを世界に発信していけるかということが今後の大きなポイントとなるでしょう。
    さらにいえば物流業はそうした日本の産業構造の大激変にいかに対応していくか、うまく適応していく道を探りだすことができるか、ということも大きな課題といえましょう。
    電子書籍の行方
    電子書籍が大きな注目を集めていますが本格的に普及することになれば書籍の流通構造、物流システムも大きく変わることになります。
    これまでの書籍の流通システムは出版社、出版販売会社、書店などによって構築されていました。
    現在、出版社でつくられた書籍は日本出版販売株式会社(日販)やトーハンなどの「出版販売会社」に集約されています。
    そしてそこから書店などの店頭に渡り、最終消費者が購入できるのです。
    書籍、雑誌などの出版物は出版社がそれぞれの小売価格として定価を決めます。
    そして小売事業者である書店がこれを定価で販売します。
    いわゆる「再販売価格維持制度」(再販制度)が採用されているのです。
    電子書籍が普及すれば出版社から書店までの「中間物流」は大幅に荷量が落ちることになります。
    それがはたして物流事業者や出版社にどれくらいの影響を与えるのか、現状ではまったく推測できません。
    しかし書籍流通システムが大きな過渡期を迎えているということは否定しがたい事実でしょう。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    鈴木 邦成

    物流エコノミスト・日本大学教授
    国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
    欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
    国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

     
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