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    第133回:拡大続ける東芝の事業戦略

    2007年5月17日

     
     
     

    第133回:拡大続ける東芝の事業戦略
     東芝がアグレッシブな経営戦略を打ち出し、各方面の注目を集めている。
     まず、四日市に半導体新工場を建設。提携先の記憶媒体メーカー、米サンディスクと共同で最大6000億円を投じるという。フラッシュメモリーの生産を3倍に拡大し、半導体シェアトップの韓国サムスン電子を猛追する体制を構築する。
     また、液晶、プラズマに次ぐ第三の薄型テレビ用パネルといわれる「SED」(表面電界ディスプレー)について、姫路工場での生産を決定。東芝の姫路工場はかつてのブラウン管の主力生産拠点である。


     さらに、東芝は米原子力プラント大手「ウエスチングハウス社」を買収。原子力事業の利益率の2ケタ台に引き上げを目指す。世界的なエネルギー需要の増大で原子力の市場規模が9兆円規模に拡大するという読みからの決断である。東芝が、この買収に支払う総額は54億㌦(約6200億円)。
     すなわち、韓国サムスン電子などとの熾烈な半導体競争、松下電器やシャープなどとの薄型テレビ競争に加え、原子力事業でも巨額投資を行うというわけである。
     そして、こうしたさまざまな分野での積極的な事業展開を踏まえながら、東芝はグローバルSCMのさらなる高度化にも精力を注ぐことになるわけである。
     東芝の攻撃的な事業戦略が同社のグローバル物流と、どのように絡んでいくのかにも今後、注目する必要があるだろう。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    鈴木 邦成

    物流エコノミスト・日本大学教授
    国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
    欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
    国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

     
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