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ブログ・上西 一美
第122回:反省の色は何色?
2024年7月10日
交通事故防止コンサルタントの上西一美です。先日、講義の中で、ある管理者の方が「事故を起こした運転者と面談をしたけど、反省の色が全くない」と発言されました。私はその場にいた受講者の皆さんにこんな質問をしたのですが、皆さんも考えてみて下さい。「では、『反省している』とはどういうことですか? 反省の色とは何色ですか?」――。
私も過去にこのような発言をしていました。「反省していないじゃないか?」「反省の色が見えない」などなど…。しかし、その反省は、事故を起こした運転者がどのような態度をすれば判断できるのでしょうか?
その場で出た意見は、「しおらしくしている」「言い訳をしない」。要は、面談する管理者が心地よく話せたら「反省している」、遮るような言い訳や意見を口に出すと「反省していない」という判断なのでしょうか。
では、口では、「反省しています」と言い続けて、心の中では、「早くこの面談終わらないかな」と考えている運転者はどうなのでしょう。つまり、反省しているかどうか、面談ではわかりません。その場の運転者が反省しているように見えたら反省していると思い込むのは、単なる面談者の自己満足なのです。
では、反省しているかどうかはどこで判断すべきなのか、それは簡単です。その事故を起こした後、いかに運転行動を変えたかです。口で意思表示をするのではなく、態度で示して初めて反省なのです。ということは、以前はよく行われていた「反省文を書かせる」という対策は、有効な事故防止ではないと私は考えます。事故を起こした運転者は、その起こした事故からいかに学び、そして、運転習慣を変えるか? これに尽きます。よって、面談する際はここに重点を置いて頂くと、事故を再発する可能性が低くなります。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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