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ブログ・上西 一美
第125回:事故防止対策は過程を見る
2024年8月20日
交通事故防止コンサルタントの上西一美です。弊社では、契約先に対して、事故が発生した際のドライブレコーダーの映像を私が解説するサービスを提供しています。
先日、ある企業様から送っていただいた事故の映像は、相手のセンターラインオーバーでこちらの過失がほぼ発生しない事故でした。
しかし、その結果だけにとらわれると非常に危険です。 映像をよく見ると、道路幅が非常に狭く、黄色のセンターラインで緩やかなカーブです。皆さんはこの状況で何か気になる点がありませんか?
「センターラインが黄色」というのは道路幅が狭いということです。道路幅が狭いカーブの手前で制限速度は守っているものの、減速しないで進入する運転が私は危険だと判断しました。
仮に相手がセンターラインをオーバーしなくても、道路幅が狭いカーブでは、大型車であるこちら側がオーバーしてしまう可能性もあり、そのような事故が起こると過失は当然こちら側に発生します。
交通事故は、相手の過失が高い・低いという結果で考えてはいけません。なぜなら、その過程に危険な運転がないかを見逃してしまうからです。
弊社の顧問先では、交通事故のランク付けを行っています。金額のランクではなく、その事故に至る過程の運転に問題があるかです。仮に1万円のながら運転の事故と100万円の道交法をしっかり守った事故はどちらが問題でしょうか?答えははっきりしているはずですが、多くの企業様では、その金額の大きさという結果で判断し、事故防止対策を誤ってしまうのです。ぜひ結果にとらわれず、過程を見るようにしてください。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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