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ブログ・上西 一美
第11回:他人より2秒多めの車間距離
2019年11月7日
皆さん、こんにちは! 交通事故防止コンサルタントの上西です。前回のコラムでは車間距離の話をさせて頂きました。
車間距離は、法令では何メートルと定められておらず、運転者の感覚に頼ってしまいます。そこで私の車間距離の基準は2つあると先月のコラムでは書きました。
1つ目は、「先行車の急ブレーキなどの予測不能な動きを、ブレーキで回避できる距離」であることでした。
では、2つ目です。それは、「運転者自身の想定外の行動に対応できる距離」です。具体的にお伝えすると、「他人よりも2秒多めの車間距離を取る」とセミナーでは解説しています。
例えば、一般道を時速40kmで走行している場合、私の場合、40m以上は空けることとなります。
過去の私からすると、「取りすぎ」だと感じますし、今、このコラムを読んでいる方もそう感じると思いますが、理由を言いますのでよく考えてみて下さい。
まず、皆さんは、運転中、必ず「わき見」をしないと言い切れますか? 私の答えは「NO」です。同じ会社のトラックが停車していたり、交通事故現場の横を通過したり、また、携帯電話が鳴った時に、取らないとは思いますが、「誰からの着信か?」とその画面を見たり…、運転中は無意識に見てしまうものがたくさん存在します。
例えば、「車間時間を2秒以上取りましょう」と言われる方がいますが、これはあくまでも、わき見をせず、運転に集中し、前だけを見ている状態が前提であると思います。それなら、2秒(時速40kmの場合は22m)で十分でしょう。
しかし、前述した通り、運転者には想定外のわき見があり、事故は、そのたまたまのわき見のタイミングで起きるものです。よって、そのわき見を考慮するのは当然だと思います。
個人的には私は釣りが趣味なので、竿を持った釣り人がいると見てしまうかもしれません。そのたった1、2秒が命取りになるので、車間時間が2秒なんて怖くて運転できません。
先行車の急ブレーキや運転者のわき見は、想定外です。この想定外の事態の時、事故が起きない保険としてぜひ、車間距離の確保をして下さい。
この記事へのコメント
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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