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    物流業界に求められる「人材育成」

    2014年9月29日

     
     
     

     現在、物流業界に求められているものの一つに、「人材育成」がある。今後の運送業界にとって人材を育てることが、現状を改善したり、新しいサービスを生み出すことの原動力になる。しかし物流業界、特に中小企業では人材育成にかける時間やノウハウがないという企業は多い。そんななか、物流業界の発展を目指し、人材育成に力を入れている事業者もいる。
     「今まではトップダウンで教育を行っていたが、今はボトムアップに変更している。ドライバー自身に問題提起させることで、自立性を尊重し、さらにその意見を吸い上げ、会社改善につなげている」と語るのは、首都圏を中心に食品をメーンに配送業務を行っている清水運輸(埼玉県志木市)の森田雅子・管理本部監査室課長。「具体的には、ドライバー同士4〜5人の少人数でグループを作り、月に1回ミーティングを行う。ミーティングでは『高速料金をできるだけ節約するには』『燃料費を抑える方法は』など、それぞれの知識を出し合い、改善に向けて話し合っている」という。


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     同課長によると、このようなミーティングの優れている点は、第一に「ドライバーが自分の意見を出す場面を与えてもらえること」。第二に「話し合うことで、自分自身が仕事に対し真剣に考え始め、自主性が育つこと」だとする。「ミーティングによって、ドライバーが日々の業務のなかで何を考えて仕事をしているのかが分かるようになった。また、グループにはリーダー格となる主任を置き、ドライバー同士の意見をまとめ、管理者側に伝える役割を与えている。主任は、グループの考えをうまくまとめ、改善につなげていかなければならないため苦労は大きいと思うが、自主性については一番育っていると感じる」と語る。
     ロジックスライン(千葉県成田市)の沢田秀明社長(写真右)は「5S活動を行い、まず人として基本的な部分が育つようにしている」と話す。5S活動とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の頭の文字を取ったもので、多くの会社でも取り組まれている基本的なことだが、これを明文化するだけで「社員自身も行動が自発的になってくるし、お客さんの見る目も変わってくる」という。
     これについて同社の加藤政就氏(同左)は「例えばトラックでの待機中、ハンドルに足を上げて寝て過ごしているよりも、清掃を心がけ、フロントガラスを拭いたり、車内を整理するなどを日々重ねていくと、本来の仕事にも良い影響を与える」と話す。「トラックを清潔にして不快になるお客さんはいない。車のなかを整理整頓して業務に支障が出ることはない。これらのことをドライバーが理解し、自主的に考えて日々の業務を行うことが出来つつある」と、5S活動によってドライバーが育っていることを実感しているという。
     また、社長も出席する月1回の安全会議では、加藤氏がパワーポイントを使い、エコ運転や安全運転について指導を行っている。「グラフや映像など目に入りやすく頭に残りやすいメディアを利用し、ドライバーがなるべく理解できるように説明することを、いつも心がけている」。安全会議では、一方通行の説明だけで終わらせず、必ずドライバー同士で意見を出し合う時間を設けている。「普段、『特に意見なんてないです』と話すドライバーでも、ドライバー同士の話し合いでは、とても良い改善案を出してくれたりする。また、一回インプットしたことをアウトプットし、さらに他の人の意見を聞くことで、知識が定着しやすくなる」と加藤氏は説明する。
     今回取材した2社では、どちらもドライバーの「自主性を育てる」というところに力を入れている。これが、会社発展のためのキーワードとなるかもしれない。
    ◎関連リンク→ 清水運輸株式会社
    ◎関連リンク→ 株式会社ロジックスライン

     
     
     
     
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