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運送会社
大日運輸 「物流の総合商社」あらゆるニーズに対応
2016年5月6日
物流業界は現在、深刻な労働力不足や生産拠点の海外移転による荷物の減少、激しい価格競争など多くの問題を抱えているが、今後も企業として成長を続けていくために、また、「単に荷物を運ぶだけの会社では生き残れない」という考えから、現状からの脱却を図り、魅力のある会社となるために、日々頭を悩ませている経営者も少なくない。
建築資材をメーンに扱う大日運輸(石井英信社長、大阪市北区)は昭和46年の設立以来、配送サービスだけにとどまらず倉庫、加工、販売と着実に事業を拡大。「物流の総合商社」として、ワンストップサービスの提供など、あらゆるニーズに対応。「ありがとう創造企業」をめざし、これからも様々な事業に取り組む姿勢だ。
同社は現在、大阪府門真市に2か所のサービスセンターと、同大東市に1か所のサービスセンターを保有。ユニック車による建築資材の配送や倉庫管理に加えて、倉庫内に切断機や高周波接着機などを備え、加工業務も手掛けている。
本来、建築業界では、資材は建設現場で加工されていたが、同社は自社倉庫で資材の切断や接合、穴あけなどの加工を施してから現場に納品。これにより現場で加工する必要がなくなり、ゴミも出なくなるほか、粉塵や騒音なども抑えられ、建設作業の省力化とコストダウンが図れるという。
さらに施工端材をリサイクルし、住宅の躯体に使われるコーナー部材「大日ECOコーナー」を創り出し、販売も行うなどメーカーとしての一面も持つ。石井肇専務(写真右)は「余った材料を再利用することで、建設現場でも、廃棄処理費用の削減につながるので喜ばれている」と強調する。
同部材の製造を考案した石井専務はかつて、商社マンとして働いていたことがあり、当時の経験を生かしつつ、「配送から倉庫、加工、販売と手を広げ、今では『困ったときの大日さん』と言われるようになり、『物流のコンビニ』として様々なサービスを提供している」という。
建材業界はメーカー→商社→工事店→工務店という流れがあり、「当社は川上から川下まであらゆる会社と仕事をさせて頂いており、それぞれのお役に立つことができる」とし、「建材メーカーの配送業務からスタートしたが、お客様から喜ばれることを追求していくうちに、商社とも工事店とも付き合いを深めていった。運ぶだけなら他社でもできるが、ウチにしかできないことがある。働く側としても、そこにやりがいを感じることができる」と力強く語る。
顧客サービスを追求するうえで、従業員の成長は不可欠。同専務は「総合的な能力を備えた〝人財〟を育てていきたい」とし、各種研修や資格取得の支援など個々のレベルアップを後押しする。「お客様と同様に、自社の社員・ドライバーも大切にしていきたい」。
近年は新卒も入ってきており、一昨年からは若手社員を中心にQCサークル活動を導入。「ムリ・ムダ・ムラの排除」などテーマを決め、良い物づくりのためにQC活動で改善に励み、「大日ECOコーナー」の品質向上、不良品の削減などを実現させている。
「常に危機意識を持って、失敗を恐れず、ヨソがマネできないことを考えていく」と話す同専務。「お客様から喜んでもらえ、『ありがとう』と言ってもらえることが働くエネルギーになる」とし、これからも運輸倉庫業をベースに、「〝ありがとう〟創造企業」として挑戦を続ける。
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