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運送会社
NTTPCコミュニケーションズ クラウド型IoTサービス「みまもりがじゅ丸」
2017年10月16日
NTTPCコミュニケーションズ(東京都港区)はこのほど、リストバンド型のバイタルセンサー(活動量計)を活用してドライバーや倉庫作業員の健康と安全を見守るクラウド型IoTサービス「みまもりがじゅ丸」の提供を開始した。対象者の体調変化を管理者がリアルタイムに把握できる。
手首につけた活動量計から脈拍数を取得し、中継機であるスマートフォンなどにBluetoothで転送。パソコンの画面上に顔写真とともに一覧表示する。サービスクリエーション本部主査の岡原昌之氏は、「脈拍は正常、注意、危険の3段階で、それぞれ緑、黄、赤に色分けされ、作業者の状態が一目でわかる」と説明する。
「アイコン右上のマーカーをクリックすれば、位置情報も取得でき、急を要する時は近くにいるドライバーを探せる」。脈拍が注意や危険の状態になると、管理者にメールで知らせる。「位置情報と合わせることで、その脈拍変化が危険かどうか判断しやすくなる」。
これまでに13社で実証実験を重ねてきた同社。「運転中のヒヤリ・ハットが脈拍の変化という形で検出できるのではないかと考えていたが、想定とは異なる場所で頻繁に起こっていた」という。
「実際にドライバーの脈拍が瞬間的に跳ね上がる日時や場所をヒアリングすると、共通点があった」とし、「カーブ通過時や高速道路のIC付近での合流など、『荷崩れの恐れ』がある時に、ドライバー全員にその兆候が見られた」。また、「対向車線の事故を目撃した時も同様」とも。
「荷積み・荷下しなども脈拍数が上がるが、作業時間に伴い徐々に上昇していく。一方、運転中に大きく上がる時は急激で、下がるのも一瞬」とし、「その数値は、徒競走を全力で行い、汗だくになった時と同程度」。
同氏によると、「これらは無意識に脈拍が乱高下している状態」と指摘。「この緊張状態が続けば、ストレスが蓄積し、身体への負担が大きくなる」とし、「因果関係は認められていないが、ドライバーに心疾患が多い要因には、こういったストレスも関連があるのではないか」と推測する。「ヒヤリ・ハットの場所は記録可能で、通行前に注意を促せる」。
同氏は、「診断することはできないが、作業者の体の変調の『きざし』を管理者側でキャッチするため、活用していただきたい」と語る。1日の脈拍の変化を記録した「デイリーレポート」は、印刷可能。「日々のデータから、『実は夜の運転は苦手』であったり、『朝よりも夜の方が調子が良い』というように、人それぞれの得手不得手も見えてくる」とし、「シフトの組み替えの参考になるのでは」と話す。
同氏は、「一人の時間が長いドライバーや倉庫作業員が『倒れていないか』と心配する経営者や管理者は多いと聞く」とし、「『見守られている』という安心感は、ドライバー本人にとってもプラスになるはず」と笑みをこぼす。「今後は、正常な脈拍の範囲を自動的に設定する機能や、デジタコなどの車載器との連携、脳波による眠気検知なども展開していく予定」。
利用料は、活動量計10台で月額2万円から。◎関連リンク→ みまもりがじゅ丸
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