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運送会社
松興物流 ドライバーのブランド化、安全意識など教育徹底
2019年12月24日
松興物流(茨城県結城市)は、「強い営業」を合い言葉に食品や一般貨物の配送を手がけている。松島順一社長は、「『なんでもやります』ではダメ。『下請け』と『元請け』ではなく、『パートナー』。できないことはできないとはっきり伝えることで、信頼を勝ち取る」と語る。
年間を通じて仕事量の安定にこだわるという同社。「繁忙期だからといって、増えた依頼は基本的には受けない。無理して受けると、ドライバーにしわ寄せがいくことになる」というのが理由だ。
「ドライバーのブランド化」にも徹底して取り組んでいる。「プロ意識が重要。業務中はもちろん、自宅を出た瞬間から自宅に帰るまでがプロドライバー。妥協は一切ない」と厳しさを見せる。
プロ意識を醸成させる一環として、「運行前点検を徹底させている。故障したときに困るのはドライバー自身。毎回、キャブも上げ下げし、チェックさせている。輪留めも必須。転職してきたドライバーが戸惑いを見せることもあるが、自然と毎日行うようになる」。
「配送商品の特徴を熟知することもドライバーの仕事の一つ」と説明する同社長。「ハンドルを切ったときの荷台の動きは、商品の特性を知っていれば予測できる」という。「家電や食品は外装までが商品。コンビニ弁当は蓋にベタッと中身がついてしまっては、購入意欲が下がってしまう。買う側の気持ちまで考えれば、自ずと輸送方法も変わるはず」。他にも、パンクの修理やチェーンの巻き方などを、ミーティングや対面での指導で「徹底的に叩き込む」という。
同社長は、「安全面と高品質の追求を10年、20年と愚直にやってきた。だからこそきょうがある」と振り返る。「当社のやり方は、ドライバーにとっては『大変だ』とか、『面倒くさい』と思われることがあるかもしれない。だが、それ以上の良さもあるから、たくさんの仲間がいてくれる」とし、「質の高いドライバーを揃えることで、モチベーションの低いドライバーは勝手に辞めていく」という。
「点呼時のアルコールチェックで少しでも反応が出たら『解雇』ということを、入社時に説明し、厳守を約束させる」とひときわ厳しい表情を見せる。「積み込み先や卸先でもチェックされるため、そこでアルコールが検出されるとそのドライバーはもとより、会社として取引がなくなってしまう」と語気を強める。「安全性はもちろん、信頼のためにも、徹底している」という松島社長。
また、エコドライブにも注力している同社。「常に『ギアは6速』と口すっぱく言っている。リッター1円でも、年間1000万円浮く」と語る松島社長。優秀なドライバーを表彰し、トラックメーカーから講師を招いた研修を事務員を含める全社員に受けさせるなど、支援体制も構築している。「トラックは人を殺せる凶器。ふざけた運転をさせないためにも、運転中に笑顔はいらない」と、厳しく安全と質を追求し続けている。
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