-
製品・IT
中西商会の「DRIVEDOOR」 安房運輸が運用開始
2020年6月15日
中西商会(千葉県船橋市)は富士通マーケティング(東京都品川区)とともに、基幹システムに代わる運送業向けのカスタマイズクラウドシステム「DRIVEDOOR(ドライブドア)」の拡販を開始した。6月1日から安房運輸(千葉県君津市)が運用している。
「ドライブドア」は、受注、配車、実績管理に加え、請求・支払い、債権債務の管理など、運送業に関わる様々な事務作業を総合的にサポートするシステム。ネット環境があれば、各種情報をリアルタイムで集計・確認でき、業務の効率化と最適化を実現。IT点呼やETC利用実績など他社システムともシームレスに連携できる。
中西商会SI事業部の金子亮氏(写真)は、「ユーザーの要望に応える形で開発を続けてきた結果、運送業で必要とされる機能はほぼ揃っており、66種類の中から自由に取捨選択頂ける」と説明する。
また、「一般貨物向けだが、特積み、航空貨物、ローリーなどのテンプレートも用意しており、幅広いニーズに対応している。物流業界で、ここまで細業種に対応しているシステムはめずらしいはず」とし、「クラウドシステムだが、ユーザーの事業規模や配送業種にあわせて柔軟にカスタマイズできることも大きな特長」とも。
「新型コロナウイルスの影響で、物流業界でもBCPの観点からテレワークの必要性が叫ばれ始めているが、クラウドに切り替えることで、出社する人員を減らすことができ、万が一の際も業務を在宅で継続できる」。
グループ全体で640台超の車両を保有する安房運輸では、早くからICTに取り組み業務をシステム化していたが、近年の自然災害で基幹システム運用面での事業継続リスクを目の当たりにし、昨年から全システムのクラウド化を検討。金子氏は、「幅広く運送事業を展開されていることから一般的なクラウドシステムでは機能が満たせず、かといって個別開発ではコストが高くなり過ぎるという課題が出ていたため、これらを解決できる『ドライブドア』を採用頂いた」と説明する。
安房運輸では、新システムを3ステップに分けて展開する予定。第1段階では、荷主からの配送業務の受注とドライバーや車両の稼働実績の入力などのルーチン業務で導入。同氏は、「クラウドだがブラウザ以外からのアクセスも可能で、大量の伝票入力作業でもシステムのレスポンス低下を軽減できる仕組みを採用している。ストレスは少ないはず」と自信を示す。
第2段階では、自動配車システムとの連携で最適配車を実施。配車情報をドライバーのタブレット端末に伝達し、タイムリーな作業情報と紐付ける。また、デジタコ・ドライブレコーダーのリアルタイムの運行データと連携し、生産性とコンプライアンスを考慮した全体最適化に取り組む。
第3段階では、会計・給与システムと連携させ、日次決算を目指す。「二重入力を削減できるため、売上収支把握までのリードタイムを大幅に短縮できる」。将来的には、AIで波動を分析し、経営判断の迅速化に取り組むという。
金子氏は、「当社の拡張型クラウドはあらゆる運送業態に適合できるシステムと自負している。現場業務の効率化と精度向上を実現させるとともに、在宅勤務を可能にする。クラウドの強みを活かし、バージョンアップや機能追加も随時行っていく予定。ぜひ活用頂きたい」と語る。
◎関連リンク→ 中西商会株式会社
関連記事
-
-
-
-
「製品・IT」の 月別記事一覧
-
「製品・IT」の新着記事
-
物流メルマガ