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製品・IT
テレコム AIで危険運転を見える化「Dr.ライセンス」
2020年8月24日
「Dr.ライセンス」はテレコム(堀越寛生社長、東京都大田区)が開発・販売する総合的な交通事故防止・安全管理プログラム。AI搭載ドライブレコーダーと事故防止コンサルティングがセットとなる。長年、無線機やデジタコなどのEMS機器販売を手掛ける同社ならではの、運送事業者や管理者の「かゆいところに手が届く」機能を搭載している。
最大の特徴はAI搭載ドラレコにより、デジタコ等の管理機器の数値には現れない「リスク運転行動」が浮き彫りになることだ。AI搭載ドラレコは外部を写すカメラと運転席を写すカメラを搭載。一般的なドラレコは衝撃や急ブレーキなどに反応し録画するが、同システムではドライバーのリスク運転行動をAIが認識し録画する。
車間距離の不保持や運転中のスマホ・携帯電話の使用、ナビの長時間の注視などのほか、地図データと連動し、一時停止違反等の交通違反を犯した際にも反応する。「例え、スマホを見ながら運転していても、デジタコの点数は満点が取れてしまう」と同社の山端将史取締役(写真右)は指摘。同社が行った実験では、デジタコの数値が良くても、「ながら運転」などの不安全な運転をしているドライバーが少なくなかったという。EMS機器の販売とサポートを長年手掛けてきた同社ならではの視点だ。
中には、デジタコの点数を下げたくないがために、黄色信号で停止しない例や停止線をオーバーする例もある。「Dr.ライセンス」はこれらのリスク運転を見逃さず録画し、管理者に通知する。
管理者の目線で活用しやすい機能性も特徴だ。誰が、どんな運転をしてきたのか、取得したデータはドライバーごとに管理。運転上の問題点や状況をすぐに確認できるため、点呼時の指導に即座に生かすことができる。
ドライバーごとに目標を設定することもでき、目標の達成率を表示。設定をすれば、ドライバー自身もスマホを使って、自分の目標達成率や撮影された映像を確認することが可能だ。同社テクニカルサポート部の吉田仁部長(同左)は「一方的な指導ではなく、ドライバーさん自身が気づきを得ることができる」と説明する。
加えて、今どこを走っているのかなど動態管理も搭載。リスク運転行動が撮影された場所をマッピングすることで、会社ごとの危険マップを作成できる。また、注意が必要なエリアを指定して、ドライバーに注意喚起すこともできる。もちろん、事故が発生した際には通常のドラレコとして機能する。
山端取締役は「ドライバーさんとのコミュニケーションツールとしても使える。コミュニケーションが活発化することで安全教育が進み、会社の雰囲気も良くなっていくのではないか」と話す。同社では、取得したデータを分析。コンサルティングを通じて、ユーザーの事故防止活動をサポートする体制を整えている。
◎関連リンク→ 株式会社テレコム
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